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山田裕貴の2021年を振り返る ドラケンから志村けんさん役まで演じ、さらなる高みへ

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山田裕貴
山田裕貴 クランクイン!

 映画、ドラマ、舞台にCMと八面六臂(ろっぴ)の活躍を見せる山田裕貴。彼の特長の一つは、高い演技力に裏打ちされた、出演作品の多さ。出演作品すべてを追いきれないほど多様な作品で重宝されている印象だが、2021年にはさらにもうひと段階上へと歩を進めた印象だ。連続ドラマのレギュラー出演は、『特捜9 season4』(テレビ朝日系)、『青のSP(スクールポリス)−学校内警察・嶋田隆平−』(カンテレ・フジテレビ系)、『ここは今から倫理です。』(NHK総合)、『ハコヅメ ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)など。映画は『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』、『東京リベンジャーズ』、『燃えよ剣』に加え(『テン・ゴーカイジャー』も期間限定で劇場公開)、声優として『100日間生きたワニ』、『フラ・フラダンス』が公開された。当初は2020年公開予定で、コロナ禍による延期で今年にずれ込んだ作品も含まれるが、それにしても驚異的な本数だ。

【写真】ドリフのハッピ姿も披露! 2021年の山田裕貴を振り返る

「あの役っぽい」と既視感を抱かせない演技力

 現在は音楽劇『海王星』に出演中で、27日には志村けんさんを演じたスペシャルドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』(フジテレビ系)が放送される。『東京リベンジャーズ』が2021年の実写映画No.1ヒットをたたき出したこともあり、持ち前の実力に人気と知名度がより上乗せされたといっていい。

 そして、近年の出演作を横断して見るだけでも、その役柄の幅広さにうならされる。『東京リベンジャーズ』では、人気キャラクター、龍宮寺堅(ドラケン)を原作の“完コピ”レベルで熱演。側頭部を刈り上げ、後ろ髪を弁髪スタイルにしているビジュアルを再現するべく実際に断髪を行い、約一年も維持し続けたというから、気合のほどがうかがえる。ドラケンは不良軍団「東京卍會」の副総長としてチームを支える大黒柱であり、武闘派でありながら総長の佐野万次郎(マイキー:吉沢亮)を制する冷静さも併せ持つ、頼れる男。山田はドロップキックなどの激しいアクションに挑戦しつつ、少しトーンを落とした落ち着いた声色や、仲間を護る分厚い背中を見せつけている。

 翻って『ここは今から倫理です。』は、表情を読み取らせない物静かな倫理の教師、『ハコヅメ ~たたかう!交番女子~』は明るく人懐っこい刑事を演じた。同じ漫画原作というくくりであっても、それぞれの作品に合わせたアプローチ(例えばリアル路線か、オーバーめかなど)を追求していること、もっというと作品のテイストに合わせて演技のジャンルをスイッチできることが、山田の武器の一つといえるかもしれない。教師役は『先生を消す方程式。』、刑事役は『特捜9』ほかでも演じているが、「あの役っぽい」と既視感を抱かせないのは流石だ。

 出演作が絶対的に多いにもかかわらず、イメージが定着しない。しかも、ドラケンや『先生を消す方程式。』のクレイジー教師・頼田朝日、『闇金ドッグス』シリーズの安藤忠臣、『HiGH&LOW』シリーズの村山良樹といった“濃い”キャラクターを次々と演じているにもかかわらず、だ。山田本人も、ツイッターなどで変顔や爆笑エピソードを投稿したりと積極的に自分を出しているが、こと演技、役柄に対しては別。「イメージの定着」は観る側に生じるもののため、俳優本人にはコントロール不可な部分も強いのだが、山田においてはそれを見事に実現してみせたように感じる。その先に、「志村けんさんを演じる」という大役が待っていたのだと考えると、実に感慨深い。

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2022年もジャンルの異なるさまざまな作品に挑戦

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