『女子高生に殺されたい』原作・古屋兎丸×城定秀夫監督対談 「面白ければ改変OK」「田中圭さんがハマり役」
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ーー女子高生の群像劇といった意味でも見応えがありましたが、城定監督は女子高生を描く上で大事にされたことはありますか?
城定:『女子高生に殺されたい』だけではなく、僕の中にある種の“古屋ワールドにおける少女像、女子高生像”というものがあって。できるならばそれを映し出したいと思い、オーディションでもその思いを念頭に選んでいます。
古屋:女子高生というのは、まだ未完成で、いかようにも形を変えていける年代の子たち。自分の頭の中にもある種の女子高生像があって、そういった抽象的なものを城定監督は的確に読み取ってくださった。だからこそ、映画を観ていると『女子高生に殺されたい』だけではなく、僕の他の漫画の要素も感じられるんです。いろいろと考えて、実写化に取り組んでくださったんだなと感じています。
古屋兎丸描き下ろしイラストビジュアル (C)2022日活
ーー城定監督が古屋先生の作品に共鳴を受けるのは、どのようなところでしょうか。
城定:どんなに特殊な世界を描いても、きちんとストーリーとして面白いものになるところがすごいなと思っています。アートに寄せて意味がわからなくなる…という漫画ではなく、いつでもエンタテインメントを手放していないところがとても好きなんです。どんなに悲惨で猟奇的な内容だったとしても、ユーモアを大切にしていたり、後味が悪くないものにしようという点は、僕もとても大切にしているところです。
――古屋先生の作品は、『ライチ☆光クラブ』『帝一の國』なども映像化が実現しています。ご自身の作品が映像化される喜びとはどのようなものでしょうか。
古屋:映画を観て「こうやればよかったな」と反省してみたり、「こういう見せ方もあるんだな」と勉強になることもたくさんあります。また『ライチ☆光クラブ』のときも思ったんですが、実写化されると漫画よりも一層、人間の欲望が生々しいものとして目の前に表れてきますよね。自分の作ったストーリーとはいえ、別物として楽しめる部分もあります。