『女子高生に殺されたい』原作・古屋兎丸×城定秀夫監督対談 「面白ければ改変OK」「田中圭さんがハマり役」
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ーー春人役には、田中圭さんが抜てきされました。
城定：「田中さんにやってもらえたらすごくいいな」という案が出たんですが、内心で僕は「春人役を田中さんがやってくれるとは思えないなぁ」と感じていて（苦笑）。ところが原作と脚本を読んでいただいたら、田中さんが「ぜひやりたい」と言っていると。半信半疑でお会いしたところ、ご自身も「こういう役をやりたかった」とおっしゃってくださったんです。田中さんには優しい雰囲気があって、春人の醸し出す「こんな先生がいたらいいな」という感じは、彼自身からにじみ出るものだなと。一方、春人がターゲットの女子高生を見る目つきは予想以上に怖くて、すばらしいなと思いました。田中さんが内面から作り込んでくれたものが、春人の目にきちんと表れていました。
映画『女子高生に殺されたい』 （C）2022日活
ーー原作でも春人の“ヤバい目つき”はとても印象的ですが、実写でそれが再現されていたことに驚きました。
古屋：田中さんは、思っていた以上に春人がハマり役になっているなと思いました。「田中さんが演じるダークサイドのキャラクターをもっと見てみたい！」と思わせるような春人でしたね。普段は優しく涼しげな表情をしているのに、突然見せるあのヤバい目つきは、僕がイメージした春人像ともとても重なりました。僕は漫画家なので、「このキャラクターを実写で演じるとしたら誰がいいのか」と考えたとしても、「この人とこのキャラクターは顔立ちが似ているかもしれない」というところでしか選べないと思うんです（笑）。春人に田中さんをキャスティングするなんて、絶対に僕には思いつきませんから。完成作を観ても、すばらしいキャスティングだったなと思っています。
映画『女子高生に殺されたい』 （C）2022日活
城定：完成して「とてもいいシーンになったな」と思うのは、裸の春人が浴槽の中で胎児のように丸まっている場面です。田中さんが積み上げていった春人像の中にある“変態性”のようなものが、一枚の絵として表現できているなと感じました。
古屋：すごくいいシーンでしたね。原作ファンも田中さんファンも喜ぶようなシーンになっていると思います。また、女子高生の真帆とあおいという2人のつながりが濃密に描かれている場面も印象的です。演じてくださったお二人の演技力も相まって、百合目線的にも「いいな」と思えるものになっていました。
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