“最強パートナー”エディ・レッドメイン＆ジュード・ロウ、『ファンタビ』で育んだ信頼と絆
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ニュートとダンブルドア、そしてそこに立ちはだかる宿敵グリンデルバルド。現在と過去が交錯する人間模様ならぬ、“魔法使い模様”がドラマチックな物語を生んでいくが、その礎（いしずえ）となるのが、個性豊かな各キャラクター。役づくりに関しては、それぞれアプローチの仕方があるようだ。3人の兄弟がいる家庭で育ったエディは、ニュートを演じる上で、その家庭環境が大いに役立ったと振り返る。「僕以外、兄弟はみんなスポーツ万能で、学校のヒーローだったんだ。だから、エリートの兄テセウス（カラム・ターナー）と対峙する時は、彼らと過ごした経験がすごく助けになった。テセウスも学校の人気者で、ニュートはクラスのつまはじきだったからね」。
（C）2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved Wizarding World（TM） Publishing Rights （C）J.K. Rowling WIZARDING WORLD and all related characters and elements are trademarks of and （C）Warner Bros. Entertainment Inc.
さらにエディは、テセウスを演じたカラムとの共通点にも言及する。「カラムと僕が育った場所が近かったことも大きいね。共演するまで全く知らなかったんだけれど、歩いて3分のところに住んでいたらしいんだ。だから、いろいろ共通する体験があってすごく親しみを感じたよ」と述懐。それだけではない。ある日、妻と一緒にカラムが出演している『戦争と平和』（2016）を観ていた時に、カラムが画面に現れた瞬間、「あら、この人、あなたをちょっとホットにした感じ、よく似ているわ」と言われたのだとか。そしてその後日、オーディションで兄役に受かったカラムを監督から紹介されたというから、これはまさに運命としか言いようがない。
一方、ダンブルドアを演じたジュードは、ニュートとの関係性もさることながら、本作の軸となっているグリンデルバルドとの特別な“絆”に対して思いをめぐらす。「30年以上前に何があったかという関係性をきちんと振り返り、自分自身がグリンデルバルドと離れて人生をどうやって送ってきたかを理解するには、ある年齢に達していないとできないこと。私は、ダンブルドアの心の内を探索することがとても好きだ。それは、彼の人生を反映していることだと思ったから。この映画の“核”となって語られているのは、人との関わり方。そこにはたくさんの愛があり、同時にたくさんの後悔もある。ダンブルドアとグリンデルバルドは、さまざまな出来事があって別の道を歩くことを選択し、それによって正反対の道を歩むことになるが、心の奥ではお互いにその選択を尊重し合っている。俳優である私にとって、そういったいろんな解釈ができる複雑な心情にトライすることがすごく楽しいことだったんだ」。
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また、「演じることは“セラピー”でもある」と語るジュード。「俳優は、複雑な役ほど幸運だと思っていたほうがいいと思う。なぜなら、混沌とした関係性やシチュエーションは、観客も自分の経験値を照らし合わせていくものだが、そこに俳優が自身の人生経験をどう生かして、こちら側に引き込んでいくか…私たちの仕事は、他人の世界に足を踏み入れていく行為でもあるので、まずはその人物をよく理解し、共感し、きちんと真摯（しんし）に向き合うがこと、つまり、それが“演じる”ということだと思うんだよね」。
ニュート、ダンブルドア、グリンデルバルド、そしてそこに降り注ぐさまざまなキャラクターたち。一見、カオスにも感じるが、その根底にあるのは愛と勇気。若さゆえの“後悔”を乗り越えた時、希望の光が見えるはず。エディとジュードが、きっとそこに導いてくれるに違いない。（取材・文：坂田正樹）
映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』は公開中。
