広末涼子、葛藤や失敗あった過去も「後悔はない」 ポジティブ思考の秘けつとは
哲学者が残した言葉や尊敬する女性たちの言葉を自らがセレクトし、自身の体験や思いを絡めて書き下ろした広末涼子初のエッセイ『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』(宝島社)が14日に発売された。10代でデビューするや、瞬く間にトップスターに上り詰めた広末。そんな彼女も40代に突入した今、女優として、一人の女性として、3人の子を持つ母としての思いを語ってもらった。
【写真】いつまでも自然体! 広末涼子の撮り下ろしカット
40代目前で感じた気持ちの変化 演じること以外でも誰かを元気にできれば
――初のエッセイで「哲学」を取り上げようと思ったのはなぜですか。
広末:30代では役者としての幅が広がり、充実した女優活動をさせていただけた充足感と同時に、40代目前になって求められるものが変わってきたように感じていました。10代、20代は作品ありきのプロモーションや、役を通してメッセージを伝えたいと思っていましたが、30代、40代と年齢を重ねるうちに、女性としてどうあるべきか、どんな人生を歩んでいるのかを取材などで問われることが増えてきて…自分自身の生き方なども役と向き合う上で大切になってくると感じていたんです。
そんな中、書籍の執筆依頼をいただいて。演じること以外で誰かを元気にできる方法があるなら、挑戦してみたいなと思いました。どんな形が良いか考える中で、自分が哲学の本を高校、大学時代に持ち歩いていたのを思い出して。体験談やエピソードを並べていったら、それはある意味自伝で、少し切り口の違うエッセイとして読んでいただけるんじゃないかなと思ったんです。
(左)『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』
(右)『特装版 ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち NFTデジタル特典付き』(宝島社)
――哲学の本は高校、大学時代から、3~4冊の台本と共に常にかばんの中に入っていたそうですね。
広末:当時、すごくお仕事が忙しくて、同時進行でさまざまな作品の原作本や資料を読みながら、撮影をしていました。お芝居の仕事は基本的に全て物語なので、感情を持っていかれる感じがしていたんです。今考えると、そんな気持ちから離れた本を読みたかったんじゃないかなと。哲学や心理学の本を読むのは、自分が言葉にできない気持ちを客観的にとらえ、冷静に自分と向き合える時間だったように思います。
――幼少期から女優になるという明確なビジョンを持っていたそうですが、当時からご自身の「哲学」があったのでは。
広末:どうでしょう。ただ、落ち込んだときこそ前進するとか、自信がなくなったときこそ努力するとか、そういうポジティブな考え方や、作戦・方法の立て方は、幼少期から続けてきたスポーツで培われたものかもしれません。結果を出すために自分を観察したり客観視したり、努力するための方法を学んだり教えてもらったり。自分と向き合うことで何が向いているか、どんなやり方がいいのか見いだすことは、スポーツを通して学んだ気がします。気がついたらスポーツばかりしていたので(笑)。
――スポーツが広末さんの「哲学」のベースなんですね。
広末:さらに言うと、一番ベースにあるのは負けん気の強さだと思います(笑)。バスケットボールを小学2年生の時に始めたんですが、私はめちゃめちゃ背が低かったので、スタメンになるどころか、追いかけるので精いっぱいで。そんな自分が試合に1秒も出ていないのに、5~6年生の先輩たちが負けたことで、体育倉庫で大号泣していたらしいんですよ。それをうちの父親が見て、「この子はなんて負けん気の強い子なんだ」と驚いたそうです(笑)。たぶん自分のことのように悔しかったんでしょうね。