ムロツヨシ、自分に飽きて「危機感を覚えた」 50代に向けた新境地へ
『神は見返りを求める』や本作などで新境地に挑んでいるのは、「自分に期待したいし、自分に飽きたくないから」だという。46歳になった今、ムロは「舞台を作っていく上でも、時代を見抜く力が衰えていく可能性もあります。日に日に恐怖は増しますが、新しいことに挑戦する勇気が、もっと必要になってくる」と未来を見据える。
「自分としても見たことのない、これまで知らなかった、役者・ムロツヨシを見てみたい。今、いろいろなプロデューサーさんや監督さんのおかげで、新しいムロツヨシに挑戦することができています。課題を与えられることで、それをクリアしようとする過程が大きなやりがいになっています」と充実感もたっぷりだ。
「もし自分に飽きてしまって、“面白くないな”と思い始めてしまったとしたら、過去の自分だってうれしくないはず」といつも励ましてくれるのは、“過去の頑張った自分”。「そのためにはちょっと無茶をしてでも、役者として、自分の知らない一面を見せ続けていけたらなと感じています。とはいえ、60代を過ぎたら“飽きる”とかではなく、リラックスした状態で芝居をしたいなとも思いますね。セリフも覚えず、全部カンペを用意してもらって、それでも決める時はバチッと決めるみたいな。まるで昭和の大物俳優のような存在感! それが理想です!」と大笑い。
ムロの「自分に期待したい」という熱意が、見る者にとっても「次に何をするかわからない」とワクワクするような俳優としての吸引力につながっている。“新たなムロツヨシ”の登場が、これからも楽しみだ。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
『連続ドラマW 雨に消えた向日葵』は、WOWOW・WOWOWオンデマンドにて7月24日より毎週日曜22時放送・配信。全5話。