うつ、地下芸人時代を経て チャンス大城が『水ダウ』で“ラッキーうんこ”を引き寄せるまで
――それにしても、ドラマチックなエピソードや、ヘンな人、ヘンな出来事がチャンスさんの周りにはたくさんありますね。
チャンス:それは僕のルーツが尼崎にあるからですね。例えば僕が芦屋に生まれていたら、こんな人間になっていないし、たぶん芸人にもなっていないです。歯が全くないシンナー中毒者とかホームレスの人があちこちにいるのが普通の光景だと思って生きてきたから。それに、僕、前の人生(前世)で悪いことしたのかなと思っちゃうんですよ(苦笑)。スピリチュアル系の人に「お酒を飲むな。飲むとついている霊が暴れるから」と言われていて、一度除霊もしてもらったんですが、水晶玉の下の方がみるみる黒くなったかと思ったら、水晶玉が割れちゃったんですよ。そのとき、「霊は半分だけ取れて半分残った」と言われました。
そしたら、実際、『人志松本のすべらない話』に出させていただいたとき、打ち上げでとんでもない失態をしてしまって、記憶がないんですよ。そこから千原兄弟に救ってもらって、今があるんですが、それ以降お酒はやめて4年半飲んでいません。
――水晶玉が割れるとは凄いですね……。実はチャンスさんが大川興業所属だった頃に、霊感のある女優さんと大川総裁の対談を担当したことがあるんです。そのとき、所属芸人の名前一覧を見た女優さんが、すぐに「この人、ヤバイわよ!」と指さしたのが、チャンスさんでした(笑)。
チャンス:そうですか、それは本当によく言われるんですよ。僕が幡ヶ谷の居酒屋でバイトしていたとき、僕の部屋にブラックホールがあると言われ、部屋の掃除をしたこともありました。僕の部屋があの世とこの世の境目の「霊穴」になっているそうで、人気ラーメン店の行列ぐらい霊が並んでいるそうです。僕、霊には異様にモテるらしいです。僕のところにいると落ち着くんだとスピリチュアル系の人に言われました。
■立ちはだかるコンプラの壁
――いじめや鬱、霊的な体験なども多数された中、生き抜くことができた秘訣とは何ですか。
チャンス:僕にとっては、「ちょっとウケた」という体験が大きいですね。「面白かった」と言ってもらえると、それだけで頑張ってこられた気がします。それと最近は、お酒をやめたことも大きいかもしれないです。そこから、ギャグとかモノマネとかもちょっとずつできるようになりました。以前は、酒ばかり飲んで、なんで売れへんねんとか愚痴っていてね。売れないっすよね、努力しないんですから。
――お酒をやめた分、今は何によって愚痴や不満などを解消しているのですか。
チャンス:真夜中に近所のでかい公園に行って、好きな曲を爆音で聴きながら踊ることですね。「生きているな」って気がします。ヘビーメタルとか、エンヤとかを聴いて、そこからインスピレーションを得ています。ただ、最近はコンプラも厳しいので、ネタ作りやトークは苦戦しています。当たりさわりのないお話はできますが、「名作」は生まれにくいというか。「パンツ一丁で金属バット持って追いかけられるような出来事はもうないよな」とか、「どこに行けば、めっちゃおもろいトークのネタが作れるかな」とか悩みます。