うつ、地下芸人時代を経て チャンス大城が『水ダウ』で“ラッキーうんこ”を引き寄せるまで
――ご自身のヘンな人・モノの「引き寄せ力」は低下していると?
チャンス:そう思っていたんですけど、『水曜日のダウンタウン』(7月13日放送分)に出たとき(※「大江裕なら裏の顔がどんなにヤバくてもさほど違和感なく受け入れちゃう説」のターゲットとして登場)、大江裕さんが何か悩んでいるみたいなので、どうやって励まそうかと思ったんですよ。海が目の前にあったので、「この海に比べたら、君の悩み事なんて大したことないんだよ」とか言ったけど、全然響いていなくて、どうしようかと思っていたら、そこに犬の柔らかいうんこが落ちていたんですよ。
――引き寄せていますね!
チャンス:はい! それで、「これだ!」と思って、新品の靴でうんこを踏んで、「何しているんですか」と大江さんに言われながら、「うんこ、嫌だよね。でも、これ、洗ったらとれるんだよ。君の悩みごとだって、洗えばうんこみたいにとれるんだよ」と言ったんです。そしたら、それがめちゃくちゃウケたんですよ。正直、ヒヤヒヤしました。もし、あそこにうんこがなかったら、VTRとして弱かったかもわからんから。お酒もやめて、毎日のようにごみ拾いもして、誰にも迷惑かけないように生きていることを神様が見ていてくれているんだと感じることが、この2年、たまにあるんですよね~。
――ゴミ拾いをして、ラッキーうんこが来る、と。
チャンス:そうです。あそこでうんこしてくれた犬に感謝ですよ。「忘己利他(もうこりた)」といって、自分のことは後回しにして他者のことを考えろという仏教の言葉があるんですが、それを大事にしています。あ、でも、ゴミを拾うのも、どこかで自分に返ってくるという思いで“貯金”しているのか? 俺、やっぱり見返り求めているわ……いやらしいですね。でもまあ、最初は見返りを求める偽善でも自己満足でも、いつか悟れたらと思います。
(取材・文:田幸和歌子 写真:高野広美)
『僕の心臓は右にある』は朝日新聞出版より発売中。