清原果耶、独りよがりにならないための“自分”と“周囲”との向き合い方
――先ほど水墨画の先生から「大胆」という言葉をもらったと話していましたが、自覚しているパブリックイメージと自身のギャップに違いがあると思いますか?
清原:よく「おとなしそうだね」とか「クールで大人っぽいね」と言っていただくことが多いのですが、全然そんなことはなくて(笑)。マイペースですし、割とてんやわんやして、感情表現が豊かな方だと思います(笑)。
――役によってイメージがガラリと変わるのも俳優のお仕事のおもしろさでもあり、怖さでもありますよね。
清原:そうですね。お仕事を頂くたびに、見る方はどんな風に思うんだろうなということは考えます。これまで明るい役を演じる機会が少なかったから、そういう役に挑戦したら喜んでいただけるのかな…とか。その意味で、役柄の幅を増やしていけたらなと思っています。
――もしかしたら変なイメージがつくかもしれない…と、および腰になってしまうことはないですか?
清原:あまりないですね。役のイメージを持ってもらえるというのは、それだけ作品を夢中になって見ていただけたということだと思うので。やっぱり役名で覚えてもらえるのはうれしいものです。例えば『おかえりモネ』に出演したとき、いろいろなところで「モネちゃん」と声をかけていただけて。これからもそういう機会に恵まれたらうれしいです。
■デビュー作で衝撃の出会い! 「宮崎あおいさんの芝居に惹きつけられました」
――劇中、横浜流星さん演じる霜介(そうすけ)は、千瑛の水墨画を見て心を奪われます。清原さんは一瞬にして心が奪われてしまうような出会いはありましたか?
清原:ドラマ『あさが来た』に出演した時に、宮崎あおいさんのお芝居を間近で見る機会がありました。当時中学2年生だったのですが、初めての現場で何がOKなのか、どうやって感情を持っていったらいいのか、まったくわからなくて。そんな時に宮崎さんの涙を流す演技を見て「本番中なのに泣いちゃう!」と。それぐらいの吸引力というか、惹(ひ)きつけられるものがあったのを今でも思い出すくらい衝撃的な経験でした。
――初めての現場でそんな体験ができたんですね。
清原:そうですね。ラッキーだったと言ってしまうと軽く聞こえますが、本当に幸運でした。これまでも映画を見て泣いてしまうことはありましたが、あそこまで感情が動く瞬間を自分で体感できたことはなかった。お芝居ってすごいな、こんなに人を惹きつけるんだ。この仕事を続けていきたいなと思いました。