衝撃のデビューから2年! 奥平大兼、スランプに直面して得た変化
2020年に映画『MOTHER マザー』で鮮烈なデビューを飾った俳優の奥平大兼。その後はドラマ、映画への出演を重ね、今年公開された『マイスモールランド』は、第72回ベルリン国際映画祭に出品され、奥平は英語でビデオメッセージを送るなど海外でもその存在を印象付けた。デビューから2年、WOWOWで放送される最新作ドラマ『早朝始発の殺風景』では、連続ドラマ初主演を務めるなど、充実した俳優活動を繰り広げているように感じられるが「最近俳優という仕事のきつさをすごく感じるようになった」と語った奥平が、徐々に起こっている自身の“変化”について語った。
【写真】奥平大兼・19歳の素顔を撮り下ろし インタビューカット
■デビュー2年で壁に直面 最新作では原点回帰で感情をストレートに表現
『早朝始発の殺風景』は、作家・青崎有吾の青春ミステリー小説を、連続テレビ小説『ひよっこ』などの岡田惠和が脚本監修を担いドラマ化。奥平は、早朝の始発電車で会ったクラスメイトの殺風景(山田杏奈)が抱えている問題を解決すために奔走する加藤木を演じている。
『WOWOWオリジナルドラマ 早朝始発の殺風景』11月4日より放送 (C)WOWOW
台本を読んだとき、自身が演じる加藤木についてはなんとなくイメージできたというが、山田が演じる殺風景については「まったくわからなかった」と率直な感想を述べる。「殺風景という役は、演じる役者さんによって大きく変わると思っていたんです。その意味で、山田さんがどんなお芝居をするのかで、加藤木くんも変わってくるのかなと」。
デビューから濃密な2年間を過ごしてきた奥平。「作品に入るたびに自分の前に大きな壁が立ちはだかってきてつまずくんです」とスランプに直面してきたという。本作の撮影前に感じていたことが、役に対して悩み過ぎてしまうこと。ここ最近の作品は、演じる役に対していろいろなことを考え抜き、疑問に思ったことは周囲に相談するなどして、役にグッと入り込んでいたという。
しかし本作で演じた加藤木は、殺風景演じる山田の芝居を受けて反応する役と感じたため、いつも以上に深く考えることをやめた。その場で感じたことをストレートに表現することで、加藤木という人物を作り上げていった。「考え過ぎない」というやり方にたどり着いたという。