『仮面ライダーBLACK SUN』西島秀俊×中村倫也×白石和彌監督が語る 「18+」だからこそ描けた“大人向け”仮面ライダーとは?
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――これだけ世界観が独特ですと、脚本を読んだだけでは芝居のテイストをイメージするのがなかなか難しそうに感じます。そのあたりはどのように調整していったのでしょうか。
中村:演じる上で考えていたのは、ヒーローものである以前に、世界観のことです。怪人という新たな人種がいて差別が社会問題になっている世界なので、少しでも作品にそぐわないことをしてしまうと浮いてしまう。そこがすごく怖かったです。なので、白石さんの横に座っていつになくモニターをチェックしました。
西島:僕もモニターはチェックしました。例えば商店街のシーンだとしたら、撮影で使うのは一角なのですけれど、美術の今村力さんが奥まで全部作られていて作品の世界がはっきりと出来上がっていたんです。そのうえで実際に怪人と人間が共存している世界というのは、どのくらいのリアリティなのか僕も感じ取ろうとしました。
(左から)西島秀俊、中村倫也
白石:あとはモブですね。それによって、「どういう世界か」が見えてくる。ただ難しいのは、怪人が全部変身後だったらよいのですがそうではないということ。変身前の姿ですと、ぱっと見は普通の人間のエキストラさんたちと変わらないのでそこは難しかったです。
西島:顔が半分だけ怪人の方もいましたよね(笑)。
白石:いましたね(笑)。その辺りをもう少し作りこめていればまた違ったのでしょうけど、ある程度想像しながらやっていく部分が必要でした。考えなきゃいけないことが多岐にわたりすぎていて、僕の中ではいつの間にか始まって動き出しちゃった感があります。