ウエストランド、爆笑問題のせいで「“漫才をやめる”選択肢はない」
――『M-1』王者になって環境や生活がガラッと変わったと思います。
井口:僕はありがたいことに優勝前から忙しくさせてもらっていて、お仕事が1日に1〜2個ほどあったんです。でも、優勝してからは多い時は1日7〜8個ほどに増え、生活は一変しました。コンビでの仕事が増えましたね。
河本:僕の場合は優勝前は月2回くらいしかテレビの仕事がなかったんです。優勝してからはありがたいことに毎日テレビのお仕事があるので、これがずっと続けばいいっすけどねぇ…。
井口:お仕事があるのはありがたいことなんですけど、今はとにかく時間がない。芸人仲間と飲みに行くのが一番の楽しみだったんですけど、それができなくてエピソードも生まれない。その大変さはあります。
――『M-1グランプリ2022』で披露したネタは世の中のいろんな事象を井口さんが斬りまくるスタイルでした。優勝後に井口さんのSNSにお怒りのDM(ダイレクトメッセージ)が来ましたか?
井口:そんなのはめちゃくちゃ来ますね。
――逆に支持するような内容のDMは?
井口:『M-1』優勝とかしたら普通、タレントさんや著名人が「『M-1』面白かったよ」「ウエストランドさん、ファンになりました」と表明するものなんですけど、ネタがネタだっただけに誰一人表明していないんですよね(笑)。著名人では唯一、(AV監督の)村西とおるさんからだけDMが来ました。
――マジですか(笑)。なんて書かれていたんですか?
井口:「ウエストランドの漫才にはエロティシズムを感じる」とお褒めの言葉をいただきました(笑)。
■ 「漫才をやめる選択肢はない」 背景に大先輩・爆笑問題の存在
――今後の展望、目標を聞かせてください。
井口:テレビに出たくて芸人を始めたから、出続けることが目標で、それがずっとできればいいなと思っています。
漫才については、優勝後によく“これからも続けますか?”って聞かれるんですけど、事務所の先輩の爆笑問題さんがずっと新ネタライブでやり続けているんで、やるしかないんです。“漫才をやめる”という選択肢がない。爆笑問題のせいで新ネタを作り続けなきゃいけないんですよね(笑)。
河本:爆笑問題さんが新ネタをやり続けているから、自分たちもやらなきゃいけないっていうのはたしかにそうなんですけど、そもそも僕は漫才の労力が少ないんです。セリフは少ないですし、そもそもネタを書いていない。だから漫才をやり続けることに文句を言っちゃダメだと思っています。
井口:もしこいつに「ダルいっス」とか言われたら、それこそ一番腹立ちますけどね。今も“結構語ってるな”と思っていたぐらいですから(笑)。
(取材・文:スズキヒロシ 写真:大西二士男)
『VSウエストランド』はABCテレビにて毎週土曜24時5分放送。TVer・GYAO!・ABEMAで1週間見逃し配信。