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<櫻井翔>最短距離を選ばない、40代の仕事論「楽をせず、汗をかく」

映画

■幸せをくれる、“あの時の子どもたち”との交わり そして見据える未来

 一方で、年齢を重ねたことで変化したことはあるだろうか? すると櫻井は「物理的な“時間の使い方”という意味では、まったく変わった」と告白する。

 「レギュラー番組があって、コンサートツアーがあって、すなわちそのリハーサルがあって、レコーディングがあって、打ち合わせがあって…という年間のスケジュールと今のスケジュールを比べると、まったく違いますね」と働き方の変化を口にし、「また僕は20代後半くらいから、年齢を重ねても、肉体や精神的にもしっかりと動けるように準備をしていきたいと思っていたので、そのためのトレーニングをしてきました。身体が動かなくなってから始めるのでは遅いですから。それも20代は週に1回でよかったものが、今は週に2、3回はトレーニングする必要があったりと、身体との向き合い方にも変化がありました。あとは朝、早く起きてしまうようになったり…」と照れ笑い。

 努力をしながら邁進してきたことで、今は新しい喜びや幸せを発見することもあると打ち明ける。「今撮影しているドラマ(『大病院占拠』)でも、撮影の合間に若いスタッフと話していると“『まごまご嵐』を観ていました”と、僕らが15年以上前にやっていたバラエティ番組の話をしてくれたり、“あの曲が大好きなんです”と言ってくれることもあって。いち視聴者としてテレビを観てくれていた“あの時の子どもたち”と、今一緒に仕事ができているのかと思うと、ものすごくうれしいです。こうやって人生が交わっていくのかと思うことが、最近とても多くて。長くやっていると、いいことがあるものだなと感じています」としみじみ。「“その時、実はこんなことがあったんだよ”とちょっとした裏話をすることが、コミュニケーションの一環にもなっています」と目を細める。

『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』より (C)2023映画「ネメシス」製作委員会
 キャスターとして報道の現場にも立つ櫻井だが、「東京パラリンピックのブラインドサッカーの現場で、ある記者の方が“櫻井さんの取材を見て、パラスポーツに関わる仕事がしたいと思って、今ここにいるんです”と声をかけてくださったことがある」のだとか。「今、そういったことに幸せを感じる瞬間も多いですね」と継続してきたことが、誰かの人生に確実に光を与えている。

 あらゆるジャンルで活躍している今、見据える未来について聞いてみると、「知りたいですよね。どうしたらいいんだろう。まったくわからない」と楽しそうに笑った櫻井。「報道番組でノンフィクションを伝え、映画やドラマではフィクションを表現している。考えてみると、その2つをアウトプットできる立場にいる人ってあまり多いわけではないと思うんです。フィクション、ノンフィクションを同時に伝えることができる今の立ち位置に、大きな幸せを感じています。だからこそ“こちらをメインに”とは、今は考えていません。それが今日現在の素直な気持ちです。来年は違うことを言っていたら、ごめんなさい!」とちゃめっ気たっぷりに語っていた。(取材・文:成田おり枝 写真:松林満美)

 『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』は、3月31日より全国公開。

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