『シン・仮面ライダー』池松壮亮&森山未來、壮絶なラストバトルを語る「森山さんとじゃなかったら絶対やれなかった」
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――そんな想像を絶するシーンで対峙してみてお互いどんな思いを抱きましたか?
池松:森山さんとじゃなかったら絶対やれなかったと思いますし、違うラストになっていたかもしれません。自分がバランスを崩しても、絶対的な安心感があります。お互いが崩れても戻ってこられるというのは、森山さんだったからこそです。身体能力が俳優の域をはるかに超越している森山さんとだったからこそのシーンですし、もし違う俳優さんだったら、間違いなく無理だったと思います。
森山:池松君はしっかりトレーニングされていたと聞いていましたし、体つきも違いましたよね。撮影前にケガをしてしまったというのは知っていましたが、それでも撮影を続けていると聞いていたので、あまり心配はなかったです。本の読み方というか、そこから入ってくるものを体や表情に落とし込んでアクションをしてくるので、自然と動きにも説得力があります。アドリブにしても、型があるアクションでも“動き”で捉えるのではないので、信念で動いているような……そんな印象がありました。
――大ヒット御礼舞台挨拶の会場では、リピートされている方が非常に多かったですが、2度、3度観てくださる方に向けて注目点をいただけると。
森山:庵野監督の言葉じゃないのが恐縮ですが、監督がどういうアクション映画を見せたかったのかを踏まえたうえで、作品を観ると、ラストの泥仕合のようなアクションシーンの必然性が分かるような気がするんです。マーベルやDCのようなCGガチガチの面白さがあるなか、この映画ならではのアクションの意味みたいなものを考えながら観ていただくと、また違った趣を感じられると思います。
池松:さまざまな角度から楽しめてたくさんの注目ポイントのある作品ですが、ひとつ提案するとすると、『仮面ライダー』という作品において仮面そのものの行方、仮面がどう登場し、どう扱われて、最後どういうところに行き着くのか……その視点で観ていただくと、またひとつ面白いと思います。
(左から)森山未來、池松壮亮
(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)
映画『シン・仮面ライダー』は、公開中