『シン・仮面ライダー』池松壮亮&森山未來、壮絶なラストバトルを語る「森山さんとじゃなかったら絶対やれなかった」
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『仮面ライダー』50周年プロジェクトとして、庵野秀明が監督と脚本を務めた映画『シン・仮面ライダー』。公開前は多くのことがベールに包まれていた本作は、3月17日に劇場公開されるとさまざまな反響を呼び、特にラストでの仮面ライダーと仮面ライダー第0号の戦いは大いなる衝撃を与えた。公開からしばらく経ったいま、本郷猛/仮面ライダーを演じた池松壮亮と、チョウオーグ/仮面ライダー第0号を演じた森山未來が、壮絶な撮影を振り返る。
【動画】極限バトルを“ふたりだけの呼吸”で演じきった池松壮亮&森山未來が語る撮影の真実
■それぞれが演じたキャラクターへの理解
――作品公開後、おふたりの周囲の反響はいかがでしたか?
『シン・仮面ライダー』場面写真 (C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会
池松:普段からあまり作品の感想の連絡とか来ないのですが、この作品は多くありました。家族や知り合い、知り合いの子ども、友人たちからたくさんの連絡をもらいました。こちらがそんなに観なくても良いのにと思うくらい何度も何度も観てくれている人もいると聞き、この作品がたくさんの人に愛され、応援してもらっていることを日々感じています。
森山:周囲というわけではないのですが、賛否両論さまざまな意見が出るなあという印象がありました。でも、『仮面ライダー』のリアルタイム世代やアニメファン、特撮ファン、まったく仮面ライダーに触れていない人など、いろいろな層の方が観てくれているからこその反応だと思うので、通り一辺倒な反応よりもいいなと思っています。同じ作品で面白いと感じる人と、そうでもないという人が混在していることも映画の醍醐味だと思うので。
出来上がった作品を観たとき、庵野監督がアクションをどう切り取るのかということに対して、現場で悩まれていた足跡みたいなものが見えるのがいいなと思いました。ザ・格闘アクションから、どんどん悩みながら最終的には泥仕合的なものになっていく。これだけ大きな規模の作品で実験的なことをやれるということが、非常に興味深かったです。
(左から)森山未來、池松壮亮
池松:周りの反響や宣伝活動でも感じましたが、あらゆる世代、たくさんの人がこの作品の完成を待っていてくれたんだと深く実感しました。どんなものに仕上がっているのか、とても待ち望んでもらえた作品だったんだと何度も感じました。それぞれがそれぞれに鑑賞し、煮るなり焼くなり好き好きに感じてほしいと思っています。そして願わくば、これからも愛され続ける作品になってくれたらなと思っています。
――改めて脚本を読んだとき、ご自身が演じたキャラクターについて、どう解釈していったのでしょうか?
森山:まず、分量が非常に多くて2時間で収まるのかなと思いました(笑)。でも、それぞれのキャラクターの役割みたいなものがすごく現代的に解釈されているのが単純に面白かったです。コウモリオーグは、COVID-19から来ているものだし、ハチオーグもアリやハチが持つ真社会性みたいなものから人間社会を見ようとしている。チョウオーグに関しても、ハビタットとかメタバースという、ちょっとさかのぼれば映画の『マトリックス』の世界ですよね。そのアレンジメントがとても魅力的でした。ただ、脚本を読んで物語を知っていても、映画を観たとき情報量が多すぎて、なかなか1度ではすべてを把握できない。リピートして観るとさらに深く感じられるんだろうなと思いました。
池松:物語の情報量は膨大でしたが、個々のキャラクターの情報量はそれほど多く描かれているわけではありませんでした。この作品ならではの特異な脚本の作りで、ここからどんな世界が広がっていくのか、いかようにも広がる可能性を感じてワクワクしました。どうキャラクターに肉付けしていけるのか、この作品がどこに向かうのか、とても楽しみでした。