中川翼、「お前は藤原竜也になれ」と言われた小4時代 注目の若手俳優が明かす“役者としての武器”とは
4歳の頃にモデルとして活動を開始し、子役として数多くの作品に出演してきた中川。俳優業に前のめりになった転機は、映画『僕だけがいない街』で藤原竜也扮(ふん)する主人公の小学生時代を演じた時だと明かす。
中川翼
中川は「平川(雄一朗)監督から、夏休み中、毎日『お前は藤原竜也になれ』と言われて鍛えられていました(笑)。それが小学校4年生の時です。そこで『自分とは違う人になって、その世界線を生きる』という楽しさを知りました。当時は将来について深く考えていなかったのですが、『俳優として生きていく道もあるんだな』という気持ちが湧いてきました」と回想。「平川監督とは『耳をすませば』でもご一緒させていただいて、僕にとって大切な存在です。また『スパイスより愛を込めて。』の瀬木(直貴)監督は、僕が初主演を務めた『光を追いかけて』でプロデューサーをされていたんです。そうやって成長を見届けてくれる人がいたり、1つやったことが次へつながっていくと思うと、すごくうれしいです」と目を輝かせていた。
さらに、昨年放送された大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、北条時政(坂東彌十郎)と、りく(宮沢りえ)の間に生まれ、若くして命を落としてしまう政範を演じて、鮮烈な印象を残した。中川は「大河ドラマって、独特な現場の空気感があって。僕は宮沢さんと同じシーンが多かったのですが、宮沢さんは現場の状況や空気など、どんなことにも対応できて、その都度ものすごい演技をされるんです。大人の階段を上っている途中で、宮沢さんのカッコよさを目の当たりにできたことは宝物です」と常に学び、吸収し、成長へとつなげている。
落ち着いた佇(たたず)まいながら、話し始めると人懐っこい笑顔を見せつつ、自身の熱い思いをあふれさせる姿がなんとも魅力的な中川。俳優としての武器を聞いてみると「誰とでも仲良くなれること。だからこそ、本作でも仲間4人の絆がよりリアルに描けたのかなと思います」と胸を張っていた。
中川翼
「蓮と似ているなと思うのは、正義感のあるところです。僕は小さな頃から戦隊モノが好きで、曲がったことが大嫌い。蓮が友達を救う場面は『カッコいい!』と思っています」と芯の強さも秘めている。出会いの大切さをかみ締めて邁進している中川翼。今後の活躍がますます楽しみな17歳だ。(取材・文:成田おり枝 写真:松林満美)
映画『スパイスより愛を込めて。』は、6月2日より全国公開。