『ハリケンジャー』との出会いで人生に変化 塩谷瞬らが語る、20周年までの道のりと作品愛
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――ありがとうございます。最後に皆さんにとって『ハリケンジャー』はどんな作品になったか教えてください。
白川:芸能界に入ってオーディションをめちゃくちゃ受けまくってたんですけど、ことごとく落ちてたんですよ。『ハリケンジャー』は、「受からなかったら辞めよう」と思っていた作品で、自分の人生を変えてくれた作品でもあります。そして、今こうしてこの場に立たせてもらえているのも『ハリケンジャー』という作品のおかげ。自分としては命の恩人のような存在です。
姜:僕も同じようにオーディションに落ちまくっていて、このオーディションに落ちたら「もう向いてないな」って辞めようと思っていました。それが、ゴウライジャーとして使っていただいて、自分の人生の中で見える景色がどんどん明るくなっていって、いろいろな作品に出させてもらえるようになったりして…本当にいい意味でこの腐れ縁が続けばいいなと思いますね。大事なものです。
山本:逆に俺は初めてのオーディションで、この世界に入るきっかけが『ハリケンジャー』でした。ほかを知らないまま始まった芸能生活だったので、10年、20周年とやらせてもらえたことも本当に宝だと思っています。『ハリケンジャー』を通じて出会えた人たちはファン、共演者、スタッフ、みんなが大切で、かけがえのないものだと今でも思っています。
長澤:私は当時高校生だったので、学校に行くような感覚で撮影所に通っていて、『ハリケンジャー』としての活動は「楽しい」の一言でした。中には大変なこともいっぱいあったけれど、本当に楽しくて充実した18歳を過ごすことができて、そこで出会えたものが全て財産になって…きっと私は誰よりも『ハリケンジャー』のファンなんです。だから10周年をやりたいと思ったし、20周年も「何がやりたい?」って聞かれたときに、「大好きなメンバーと楽しいことがしたい」っていうのが自分の中にありました。とっても大事な作品です。
塩谷:僕は15歳で東京に出てきて、一度関西の文化を学んで再度、東京に来た時に「一年で決まらなかったらアメリカに行こう!」って航空チケットを買って芸能界に挑みました。そこから10ヵ月、事務所に毎日通って稽古して、初めて芝居で声をかけてもらったのが『ハリケンジャー』のオーディション。主演デビューさせていただいて、俳優として一から全部教わって、テレビ、映画、舞台、イベント、CM、一通りやらせもらって…何も知らなかった自分を「俳優にさせてもらった」作品です。すごく意味と愛のある作品に出会い感謝しています。
そして、ここにいる仲間たちは、戦友であり、家族のような関係です。10周年の時も思いましたけど、こうして20年経っても一緒に時を過ごせる仲間ってすごく大事だなと思って。本当にこの作品に出会えたことに感謝していますし、本作が新しい何かを生み出す次の力になればいいなと思っています。
『忍風戦隊ハリケンジャー』に出演する(左から)姜暢雄、白川裕二郎、塩谷瞬、長澤奈央、山本康平
取材が終わると「楽しかったー!」「ちゃんと使えるところあった?」と現場を後にしたキャスト陣。『ハリケンジャー』としての活動を心から楽しんでいる姿が印象的で、作品が面白いのはもちろんのこと、この楽しむ気持ちが10年、20年と愛される理由の一つなのだろうと感じた。願わくは30年、40年先もキャストたちが『ハリケンジャー』であることを楽しむ姿を見続けたい。
(取材・文:河内香奈子 写真:小川遼)
Vシネクスト『忍風戦隊ハリケンジャーでござる!シュシュッと20th anniversary』は、6月16日から期間限定上映。10月25日にBlu‐ray&DVDリリース。