伊藤沙莉、劣等感や悔しさを感じた時期は“大切なもの” 30代は「もう少し余裕が欲しい」
Sexy Zoneの中島健人が、執行官室で働く頼れる事務員・栗橋祐介役に扮している。伊藤が中島と共演するのは、『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』(2008)、『大切なことはすべて君が教えてくれた』(2011)に続いて3回目のことだ。
伊藤は「あんなにずっと王子様でいられる人っているんだなと驚きました。私が後ろを歩いていても、部屋に入る前には『どうぞ』と扉を開けてくれる。一周回って『ふざけているの!?』と思うくらいジェントルマン(笑)」「健人くんとは、私が13歳くらいの頃からご一緒していて。『幼なじみみたいだね』と話すこともあります」と告白。「健人くんは、以前よりさらに懐の大きな人になったなと感じています。私がお芝居で悩んでいると、その空気を察知して『大丈夫?』と楽屋まで聞きに来てくださったりする。すごくありがたかったですし、ものすごく支えていただきました」と信頼を寄せる。
“幼なじみ”と表現した中島をはじめ、たくさんの出会いを重ねながら、今年芸能生活20周年を迎えた伊藤。2024年前期のNHK 連続テレビ小説『虎に翼』ではヒロインとなる日本初の女性弁護士を演じることも決定しており、まさにノリに乗っている。飛躍を遂げる上で、欠かせなかったと思うのはどのようなことだろうか?
「とにかく人の話を聞くことは大事にしてきました」と切り出した伊藤は、「人の意見を取り入れないと、凝り固まって『自分が正義』みたいな考え方になってしまう。それは結果、とてもつまらないことになると思うんです。誰かの発言で『どういうことだろう?』と感じるようなことがあっても、そのいい部分を見つけて自分の中に落とし込めば、新しい境地が見えてくることもあるはず。仕事だけではなく、一人の人間として生きる上でも『人の話を聞く』というのはとても大事なことだと思っています」と相手の気持ちに耳を傾けながら、歩みを進めてきた。
シリアスからコメディまでどんな役柄でも人間味を与えてしまう、伊藤の役者力の秘密もその“傾聴力”にあるのかもしれない。「人間って、本当に誰一人として同じ人はいないですよね。私は『これってどう思う?』と意見を交わすのも好きですが、そうすると『こういう考え方の人もいるんだ』と思ったりして、とても面白い。『この役は、あの人っぽいな』『あの発言をした人に似ているかもしれない』と考えることもできる。人間って面白いなと思います」。