伊藤沙莉、劣等感や悔しさを感じた時期は“大切なもの” 30代は「もう少し余裕が欲しい」
どんな役にも人間味を与え、見る者を強烈に惹きつける女優・伊藤沙莉。芸能生活20周年、20代のラストイヤーという節目を迎えた今年は、映画やドラマ、舞台にと引っ張りだこ。『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系/毎週火曜21時)ではゴールデン帯ドラマ初主演を務めるなど、破竹の勢いで活躍中だ。不遇の時代を経て飛躍を遂げる中では、「人の話を聞くことを大事にしてきた」という彼女。本作で初共演を果たした織田裕二から受けた刺激を語ると共に、これまでを振り返りながら、「もう少し余裕が欲しい」と30代の抱負を明かした。
【写真】親しみやすい笑顔が魅力 伊藤沙莉、かわいさあふれる撮り下ろしショット
◼︎織田裕二のチャレンジ精神から刺激を受ける日々
伊藤と織田が凸凹バディを演じる本作。強制執行によって財産、金品などを差し押さえたりする仕事である“執行官”の世界に飛び込んだ主人公の吉野ひかり(伊藤)が、犬担当の執行補助者としてさまざまな事件と関わり、その人たちの人生のリスタートを手助けしていく姿を描く。
ゴールデン帯ドラマ初主演という大役が舞い込み、「そんな場所にいられる自分は、あまり想像がついていませんでした。本当にありがたいです」と声を弾ませた伊藤。“執行官”という耳慣れない職業を描く本作だが、彼女自身「執行官という職業を知らなかった」という。
「本作を通して執行官という職業を知りました。ものすごく重要な役割を担うお仕事で、こういった方たちがいることで社会が成り立っているんだなと思うことがたくさんありました。“司法最後の砦”とも言われている職業ですが、知っていくうちにどんどん『執行官ってかっこいいな、魅力的だな』と感じるようになりました」と新しい発見も多かった様子で、「リーガルドラマでありつつ、人生のリスタートを描く人間ドラマとして楽しめる作品。毎話登場する犬たちも、すごく癒やしになると思います」と笑顔を見せる。
ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』ビジュアル (C)テレビ朝日
ひかりのバディとなる執行官の小原樹を、織田裕二が演じる。「私の母と叔母が織田さんの大ファンで、織田さんが出演されているドラマはほとんど観ていました」という伊藤は、「絶対的なスターというイメージがありましたし、だからこその怖さもありました。怒られたらどうしようと思ったり、すごく緊張しました!」と織田との共演の感想を吐露。
ところが脚本の読み合わせで対面した織田は、なんともフランクな人だったのだとか。伊藤は「初めてお会いした時に、織田さんが『なんだか犬みたいだね』と話しかけてくださって」と笑いながら、「そこで一気に、話しかけて大丈夫な方だってホッとして。初日から話しかけられたのは、自分としても珍しいことなんです。織田さんがそういう空気を作ってくださったおかげ」と感謝しきりだ。
撮影では、織田から刺激を受けることばかりだと話す。「織田さんは『こうやってみたらどうだろう』とたくさん提案をされる方。チャレンジ精神を持って、いろいろなトライをされるんです。そこについていくことで、自分が思い描いていたプランとはまったく違うところに連れて行ってもらえたりもする。本当に頼もしいです」と熱を込め、「織田さん演じる小原さんは、ひかりにとってかっこいい背中を見せてくれる存在。織田さんと、絆の感じられるバディを演じられてものすごくうれしい」とにっこり。
「織田さんは、どんなことを聞いても嫌な顔をせずにいろいろなことを教えてくれるんです。『本当に(『踊る大捜査線』では)レインボーブリッジで撮影したんですか?』とか貴重な話をたくさん聞いちゃいました。現場に行くのが、毎回楽しみでした」と現場の雰囲気にも背中を押され、充実の時間を過ごしている。