中村倫也、座長としての力みも気負いもなし「空回るだけなんで」
太郎は消防団に加入することで陰謀に巻き込まれていくが、中村自身は「“〇〇団”って言葉に人生で触れたことがないです」と語る。団体行動について尋ねると、「ずっとサッカーをやっていましたし、みんなで何かをやることが好きでこの仕事をやっているので、好きなんじゃないですかね。ゴリゴリの体育会系みたいなノリは持ってないですけどね」と笑う。
本作は消防庁が全面協力し、クランクイン前には講習も受けたそう。「初めて知りましたけど、所作というかポジションがあるんですね、火消しにも。僕は一番やることが少ないところに配属されたので、秒で覚えられたのでよかったです(笑)。火消しドラマの醍醐味として炎の中に突入して人を助け出すというところがあると思いますが、(本作では)そういうのは全部おじさんたちがやってくれますから」。
また、「本職の消防団の方がすごいのが、ちょっとした手当はあるらしいんですけど、信じられないくらい安い額なんですよ。土地を守りたいっていう気持ちだけで、仕事という感じではないんですね。すごく素晴らしいことだなって感じました」と感銘を受けた様子だ。
演じる太郎は消防団の一員としての顔のほか、ミステリー作家という一面も持つ。そちらに対する役作りを尋ねると、「なんにもしてないです」ときっぱり。「でも、自分自身エッセイを書いてた経験が生きてますかね。書けない苦悶とか、編集さんとのちょっとしたやりとりとか…。もちろん僕は小説家じゃないですし、本職でもないのであれですけど、ちょっと生きてる感じ」はあるそうだ。
太郎とは「気になることがあるとすぐ調べること」が共通点。「劇中でも、『探偵みたいなことするんですね』って言われて、『そういうわけじゃないんですけど、本当のことが知りたい』っていうセリフがあるんですけど、自分も割と気になることがあったらすぐ調べたりするんです」。野山に囲まれた場所での撮影が多い本作でも、その気質は存分に発揮されているようで、「花とか虫とかえげつないほどいるので、名前も知らない変な虫を見つけたり。今ってケータイで写真を撮るとすぐに調べられるじゃないですか。その技を最近身につけまして、咲いてる花とか、意外と身近な草や野菜の花だったりするのが楽しくて、いっぱい調べていますね」。