元宝塚宙組組長・寿つかさ、ノープランだった退団後 34年目の初主演オファーに驚き
――主演ということで、組長として組をまとめられていた時と舞台に臨む心境に違いはありますか?
寿:いえ、そこに関しては変わらないんですね。出演者としていい作品を作りたいという思いは、在団中も下級生も上級生も一緒でしたし、今回も同じ気持ちで臨んでいます。
――ミステリーでもあるので、あまり詳しく話せないかもしれませんが、演じられるシンカンミツキという人物はどんなキャラクターですか?
寿:夫が突然失踪した主婦で…。…もうしっくりこなきゃいけないんですけど、つい2ヵ月前まで“夫”役を演じていたので、まだ“夫”って口にするのに違和感があって(笑)。最初はどうしてもなじまなかったです(苦笑)。
――(笑)。『アナスタシア』でのマリア皇太后もすてきでしたし、今回もすんなりと受け入れられたのかと思っていました。
寿:宝塚時代も男女関係なくいろいろな役を演じてきましたし、それこそショーだと動物や植物に扮(ふん)することもあったんですけどね(笑)。その役として生きようというのは、今回のミツキ役でも変わらないのですが、なんかしなきゃいけないんじゃないかと思う自分がいる(笑)。もともと女性なんですけどね…(苦笑)。
舞台『THE MONEY ‐薪巻満奇のソウサク‐』ティザービジュアル
――今回は宙組で共に作品を創りあげた皆さんが集結されます。ご共演の皆さんの顔ぶれを聞かれた時はいかがでしたか?
寿:うれしかったですね! よくぞ、このメンバーが集ったなという喜びが大きかったです。カイちゃんのおかげですね。
――緒月さんや伶美さんのインスタグラムを拝見していても、お稽古場の楽しそうな雰囲気がしっかり伝わってきます。皆さん、笑い続けてお稽古大丈夫かな?と心配もありますが(笑)。
寿:時間が足りないですね(笑)。お稽古の時間もそうですし、みんなとしゃべっている時間も! もう2倍は欲しいです(笑)。
それでも、お稽古始まった当初は、久しぶりに会えるうれしさと、久しぶりだからこそのうれしはずかしな感じもあったんです(笑)。今ではもう現役の頃の稽古場に戻ったような感じになって、みんなで一緒に作品に取り組む毎日が楽しくて仕方がないです。
――組子時代と比べて、皆さんの成長を感じることはありますか?
寿:“成長したな”なんて私が言うのはとんでもない! みんなOGの先輩ですし、いろいろ教えてもらっています。1人でさまざまな作品に出演し、いろいろな経験を重ねてきてすごいなと思っています。