山下幸輝、原動力は好きという気持ち 「今はお芝居の楽しさがモチベーションに」
映画『TOKYO,I LOVE YOU』主演・山下幸輝 クランクイン! 写真:高野広美
――本作は3つのストーリーで構成されていますが、山下さんが思う本作の見どころは?
山下:東京タワー、新宿界隈、お台場とエピソードによって舞台が違うんですが、各エピソードでそれぞれの愛のカタチを見せながら、それらが1つにまとまっているというのが新しいなと思いました。
――恋人、家族、友人と3つの愛のカタチが描かれますが、特に共感したエピソードは?
山下:(第2章の新宿界隈を舞台に描かれる)家族、親子愛のエピソードですね。僕自身、家族に愛されて育ってここまでやらせていただいたので、すごく共感しました。子どもの親に対する意外な思いや親の子どもへの真っすぐな愛を俯瞰で見ていて、「すごく分かるなぁ」と思いました。
――劇中では子どもの親への反発も描かれますが…。
山下:僕自身、親に対して反抗期がなかったんですよね。だからその部分は新鮮に感じられましたね。
――観た人それぞれが自分の居場所や心が落ち着く場所を考えさせられるような作品でしたが、山下さんにとって心が落ち着く場所は?
山下:やっぱり実家ですね。一番、落ち着くのは匂いかなぁ。今の一人暮らしの家、東京の外の匂いと…全部違うんですけど、やっぱり大阪の実家って何というか…母の匂いがするんですよね。それを感じると一気に落ち着くというか、いい意味で気が抜けます(笑)。
――リヒトは「夢を叶えるまでは決して帰ってこない」と決めてニューヨークに渡り、そして東京に戻ってきた青年ですが、山下さん自身、そうした覚悟を持って挑んだ経験はありますか?
山下:そうですね…ダンスかな。小学校からダンスをやっているんですけど、小さい時は習い事感覚で全然本気じゃなかったんです。でも、姉が高校でダンス部に入ってそのダンスを見た時に「もう1回、ダンスをちゃんとやりたいな」と思ったんです。それで、姉と同じ高校に入ってダンスを本格的にやりだしたら、めちゃくちゃ楽しくなったんです。いろいろなダンス動画を見たり、音楽を聴いたり、ダンス部の部員もたくさんいたので刺激をもらっていました。その頃は「もう絶対にダンスはやめないぞ」と思っていましたね。楽しすぎてやめられないというか…(笑)。僕はロックダンスというジャンルのダンスをやっていたんですが、その基礎練習とか、それ以外のアイソレーションやストレッチ、リズムトレーニングもひたすらやっていましたね。だから、ダンスに関しては人から「一皮むけたね」と言われるまでは、基礎練習は絶対やめないと決めていました。
――その時にモチベーションになったものは?
山下:好きという気持ち、ダンスに対する愛情ですね。 ダンスのために昔の音楽から今流行っているものまで調べましたし、いろいろな大会やダンスバトルに挑戦しに1人で土日に会場に行ったりしていたんです。それは、誰かに勝ちたいとかじゃなくて、ただただダンスが好きでそういう行動をしていたんですよね。だから、ダンスに対する愛情がモチベーションになっていましたし、今もお芝居が好き、楽しいという気持ちがモチベーションになっていますね。
――上京したての時に撮影された作品だとおっしゃっていましたが、それからしばらく経った今、東京は山下さんにとってどんな街ですか?
山下:キラキラしていますよね。景色もキレイですし、ビル群も意外と好きなんです。仕事で次につながる場所だとも思います。
――今は“TOKYO,I LOVE YOU”なんですね。
山下:はい、大好きです(笑)。
――そんな東京での活躍もあって、4月には渋谷トレンドリサーチが実施した高校生が選ぶ「今一番好きな俳優」で3位に選ばれましたね。
山下:ビックリしましたね(笑)。自分が大阪にいる時からテレビで見てきた方々の中にランクインさせていただいて、モゾモゾする感じというか…でも素直にうれしかったです。
――活躍が続く中、11月7日に22歳の誕生日を迎えられましたが、どんな一年にしたいですか?
山下:やっぱりたくさん作品に出たいですね。映画やドラマなど、いろいろな役を演じて、観ている人を驚かせたい。僕の意外なところを見せられたらいいなと思います。
(取材・文/齊藤恵 写真/高野広美)
映画『TOKYO,I LOVE YOU』は11月10日より順次公開。
映画『TOKYO,I LOVE YOU』主演・山下幸輝 クランクイン! 写真:高野広美