山下幸輝、原動力は好きという気持ち 「今はお芝居の楽しさがモチベーションに」
山下幸輝が主演する映画『TOKYO,I LOVE YOU』が11月10日より公開。“東京”の街を舞台に、恋人・家族・友情の3つの愛をテーマに描いたオムニバスストーリーで構成された本作。山下はお台場を舞台に幼なじみたちの友情が描かれる物語で、病気に苦しむ親友を助けるため、仲間とともに高額な手術費を工面しようとする帰国子女のダンサー・リヒトを演じた。中島央監督が山下の真っすぐさにほれ込み、主演を熱望。その思いに応え、長編映画初主演に挑んだ山下が本作の撮影を振り返り、そして物語や役柄に共通する自身の経験を語ってくれた。
【写真】クールな立ち姿からキュートな笑顔まで! 山下幸輝撮りおろしカット
■山下幸輝が長編映画初主演! 演じた主人公は「真っすぐ向かっていくところが似ていた」
――長編映画主演のオファーを聞いた時のお気持ちは?
山下:素直にうれしかったですね。地元の大阪から上京して間もない時にお話をいただいたんですが、長編初主演は僕の中で挑戦でしたし、不安もありました。でも、監督が「山下くんじゃないとやらない」と言ってくださったんです。そんな監督の気持ちが伝わってきたので、僕も「中島監督だったら、やりたいな」と思って頑張りました。
――監督が山下さんの主演にこだわった理由をどうおっしゃっていましたか?
山下:自分で言うのもなんですが、「真っすぐなところがリヒトとすごくマッチしている」と言ってくださいました(照)。まだ芝居経験が少ない状態のなかで、ただ目の前のことだけを真っすぐに演じていたので、そういう部分もマッチしたのかもしれません。中島監督はすごく熱い方。僕もそういう熱さが大好きなので、一緒にやりたいなと思いました。
――演じたリヒトはやっぱりご自身と似ているんですか?
山下:似ていますね(笑)。人が好きなところや、目標に真っすぐ向かっていくところが似ていると思います。
――本作でも、昨年放送されたドラマ『君の花になる』(TBS、以下『君花』)と同様に、仲間に囲まれた役どころでしたね。
山下:そうですね。実は『君花』の撮影が終わった次の日が、この映画のクランクインだったんです。だから、演技感覚があった状態で撮影に入れました。ただ、『君花』では関西弁役だったので、標準語のセリフとの言葉の切り替えは難しさがありました。それで、標準語に慣れようと思っていろいろな作品を観たんです。とにかく聞いて吸収していましたね。それとリアクションもたくさん観ました。リヒトは帰国子女なので、オーバーな身振り手振りや目線の外し方などは、大げさと思えるぐらいで演じました。それって、外国の方にとっては自然なことですからね。監督は海外での経験もあるので、「その感じ、すごくわかる」と言ってくださいました。そういう部分は、監督といろいろと話し合いながら撮影しましたね。
――『君花』の8LOOMの皆さんからの反応はいかがでしたか?
山下:『君花』の現場で8LOOMのメンバーと「次の作品、何に出るの?」という話になったんです。「明日、映画のクランクインなんだ」と話したら、「やっば!」と驚かれました(笑)。「すごい! しかも主演でしょ、頑張って」と声をかけてもらいましたね。
――ドラマデビュー作の『君花』からすぐの長編映画主演作ということもあり、プレッシャーもあったのでは?
山下:ありました(苦笑)。『君花』で高橋文哉くんがやっていたことを「次は僕がしなければいけない」と思って、「大丈夫かな」という気持ちがありました。正直、何をすればいいのかわからなかったので、文哉くんや先輩方に現場作りや現場での立ち居振る舞いをたくさん聞きました。でも、意外と自分で考えてやっている方がうまくいかない時が多くて…逆にナチュラルな感じでいた方がいいことが多いなと感じましたね。文哉くんから直接話を聞いたりもしたんですが、どちらかというと、文哉くんが自然にやっている姿をたくさん見て、それを勝手に吸収させていただいた気がします。
――改めて本作の現場に入ってみていかがでしたか?
山下:本作の現場では他のキャストの皆さんの方が僕より芝居経験があって、僕が1番後輩だったんです。皆さん、打ち解けさせてくれる優しい方ばかりだったので、すごくホッとしました。僕自身、自分から積極的にコミュニケーションを取りにいけないタイプなので、「自分からいった方がいいのに…」と思っていたんですけど、周りの皆さんが積極的に僕に話しかけてくれたので助けられました。なので、あまり主演だからと力むことなくやることができました。
映画『TOKYO,I LOVE YOU』主演・山下幸輝 クランクイン! 写真:高野広美