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稲垣吾郎&新垣結衣が明かす、パブリックイメージとの向き合い方

映画

(左から)稲垣吾郎、新垣結衣
(左から)稲垣吾郎、新垣結衣 クランクイン! 写真:高野広美

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稲垣吾郎

新垣結衣

 朝井リョウによる同名小説を監督・岸善幸、脚本・港岳彦で映画化した『正欲』で、初共演を果たした稲垣吾郎と新垣結衣。自身の正義を疑わない男性、深い孤独を抱く女性のもがきを体現し、観客にあらゆる問いを投げかける力強い映画を完成させている。劇中で新鮮な表情を見せた2人が、共演の感想や、パブリックイメージとの向き合い方について語り合った。

【写真】映画初共演! 稲垣吾郎&新垣結衣、撮り下ろし全身ショット

◆「すべてが崩れたように感じても、それを新たに上書きしていくのが人生」(稲垣)

――家庭環境、性的指向、容姿などさまざまな背景を持つ人々の人生が、ある事件をきっかけに交差していく群像劇となる本作。稲垣さんは、息子が不登校になった検事・寺井啓喜役。新垣さんは、とある性的指向を隠して生きる桐生夏月を演じました。オファーを受けた時の感想を教えてください。

稲垣:まず、この原作を映像化するんだという驚きがありました。朝井さんの作品は、いつもいろいろな物語が交差していく様子を見事に描いていてすごいなと感心していて。この群像劇をどのように映像化するんだろうという驚きもありつつ、演じるにはそれなりの覚悟を必要とする作品ではあるけれど、ぜひチャレンジしたいなという気持ちでお受けしました。

新垣:初めに企画書とプロットを読ませていただいた時点で、とても心惹かれるものがありました。その後、原作も読ませていただき、自分自身が世の中に対して漠然と感じていたものを可視化してもらったような気がしました。稲垣さんがおっしゃったように映像化するには難しい部分もたくさんあるだろうなと思いつつ、「今、これを映画として作ることはとても意味のあることだな」と感じました。岸監督とも話し合いを重ねて、同じ方向を向いて挑むことができるという意思疎通ができたので「ぜひお願いします」という気持ちでお受けさせていただきました。

映画『正欲』場面写真 (C)2021 朝井リョウ/新潮社 (C)2023「正欲」製作委員会
――岸監督とのディスカッションで、演じる上で糧となったものとはどのようなものでしょうか。

稲垣:マイノリティ、マジョリティと分けるのはおかしいですが、どちらかと言うと僕が演じたのはマジョリティに見える男で。映画を観ていただく方にとっても、最初は大多数の方が啓喜の目線で物事を見ながらも、だんだんそれが揺れ動いていく…というストーリーになっているんですね。チラシなどにも「価値観を揺るがす」という言葉があったんですが、啓喜はまさにその役割を担うキャラクター。岸監督とはそのグラデーションについて細かく相談していました。あえて普通を演じる、ということも大切だったように思います。

――啓喜は声を荒げるような場面もあり、こうして目の前にいらっしゃる穏やかな稲垣さんとはかけ離れた存在にも感じます。

稲垣:ただお芝居では、人を翻弄する役や、特殊な個性があるような役がこれまでは多かったんですよね。そういった意味でも、自分の中では「新しいな」という感じもありました。正論が揺らいでいく啓喜から、僕自身も気付かされることがたくさんあって。年齢を重ねていくと、正義や幸せの定義など、自分の中で決めたルールに凝り固まってしまう部分もありますよね。それってとても危険なことだなと思って。自分の築き上げたものや幸せだと思っていたものが崩れていく啓喜を見ていると、たとえすべてが崩れたように感じても、それを新たに上書きしていくのが人生なのかなという気付きもありました。

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◆「稲垣さんはものすごくサービス精神旺盛な方」

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