松下由樹、嫌われ役から『ナースのお仕事』まで幅広いキャリア 蟹江敬三の言葉が自信に
映画『お終活 再春!人生ラプソディ』場面写真 (C)2024年「お終活 再春!」製作委員会
松下が演じるのは、一級葬祭ディレクターの桃井梓役。終活とはどのようなものなのか、劇中の人物だけでなく、観客にも丁寧に指南してくれるような役どころで、劇中では「残された年月はまだまだある。もう一度、夢に挑戦してみてはいかがでしょうか」と“再春”を勧める場面もある。松下は桃井役を演じることで、終活に対する考え方が変わったと告白する。
本シリーズで提唱されている終活は、「死へと向かう準備ではない」と松下。「“人生百年時代”をどのように生きていくのか。年齢に応じて、残りの人生をより豊かにするためにはどうすればいいかと考えることも、終活なんですね。葬儀社の方の説明を聞いたり、香月秀之監督の思いを伺っていると、改めてそう感じています」としみじみ。
「以前は、葬儀社というと縁起が悪いとか、みんなが敬遠するような場所といった、ネガティブなイメージを強く持っていました。でも実際に葬儀社の方からレクチャーを受けてみると、お見送りの準備をしてくれるプロフェッショナルであるだけではなく、日々の生活に寄り添っていただける方たちなんだと思って。困ったことや、わからないことがあれば、相談に乗ってもらえるんだと思うと、もっと葬儀社を身近に捉えていいんだなと感じました」と身をもって変化したイメージを、役柄に注いでいるという。
“人生百年時代”を、50代に突入した松下自身はどのように生きていきたいだろうか。「“人生百年”と考えると、すごく長いなと思いますよね。70歳になったとしても、まだあと30年もあるわけですから」と切り出した松下は、「私の場合は、ありがたいことに年齢で終わりを迎えることがない職業に携わらせていただいていて。今回もそうですが、諸先輩方とご一緒させていただくと、皆さん本当にお元気なんですね。生き生きとした演技も、枯れた演技も、どんな演技だって自由自在。肉体を使って、そのキャラクターの心の機微を表現できる。これは絶対にAIには敵わない仕事だと思います。“人生百年時代”、いつまでも元気で滑舌良くセリフを言える役者になっていけたらいいなと思っています」とにっこり。「今回は大村崑さんも出演されていますが、92歳になられたそうです。すごいですよね!」と声を弾ませながら、「そう思うと50代なんて、まだまだこれから。生涯現役でいられたらいいなと思います」と朗らかな笑顔を見せる。