奥田瑛二、変わらない色気の秘密「モテるとか色気があるというのは決して見た目じゃない」
どんな言葉からも、映画人として作品に並々ならぬ情熱を注いでいることが伝わってくる。50歳を迎えた2001年には、連城三紀彦の同名小説を映画化した『少女~an adolescent』で映画監督デビューも果たした奥田。「チャレンジを超えた冒険心を持って、映画監督、俳優業に臨んでいます」という彼は、「俳優としても監督としても、若い人たちを育てていきたいと思っている」と次の世代の背中を押したいと語る。
「奥田組のスタッフは、『照明やカメラマン、録音、助監督など、みんなその後に一人前になっていく人が多い組だ』と言われることもあって。僕自身、いろいろな想いを彼らに繋いでいきたいと思っています。その中の典型的とも言えるのが、安藤桃子」と映画『0.5ミリ』を監督して高い評価を受け、今は高知県での映画祭を開催するなど映画を中心とした文化を発信している長女について言及。「彼女はこれからも映画に果敢にチャレンジして、すごいことをやるんじゃないかと思っています。僕も何か尋ねられたら、惜しげもなく意見を言って、見守っていきたいという想いがどんどん強くなっています」と目を細める。
また次女、安藤サクラは俳優として活躍中だ。奥田の意志を受け継ぐように、2人の娘が映画界で躍進していることに「やっぱりそれは喜びですよ。言わずもがなで」と照れ笑い。「『0.5ミリ』では、桃子が監督、サクラが主演を務めました。そこで桃子は監督賞や脚本賞、サクラも主演女優賞をいただいて、そんな時に知り合いに会うと『奥田さん、鳶が鷹を生みましたね』なんて言われたりして!(笑) 『なるほど』なんて思って、すごくうれしかったですね。でも翌年にもまたサクラがいろいろと賞をいただいて、これは何かうまく切り返さなければと思って。『鳶が鷹を生みましたね』と声をかけられた時に、『鷹は鷹しか生みません。鳶は鳶しか生みません』と言ってみたわけ。そうしたらみんな大笑いでしたね!(笑) そういった意味でも、我が家の環境を見渡してみると、濃いですよね。義理の息子も含め、濃い。デミグラスソースと八丁味噌が混ざり合ったみたい」と個性的な才能が集まった家族を思い浮かべて、楽しそうに笑う。