奥田瑛二、変わらない色気の秘密「モテるとか色気があるというのは決して見た目じゃない」
奥田はインタビュー部屋でも周囲に気さくに話しかけ、一瞬にしてその場の緊張をほぐしてしまう。仕事への熱意を力強く話す一方、しばしばのぞかせるチャーミングな笑顔も印象的だ。ドラマ『不適切にもほどがある!』では、吉田羊演じるサカエが80年代に一世風靡をした『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』に出演している30代の頃の奥田の色気に「ざわわ」とする場面があったが、今なおその色気は健在。色気の秘密について聞いてみると、「それはね…、言うよ?」と切り出した奥田は、「生まれつきなんだよ」とニヤリ。
周囲が大笑いとなる中、「以前、ある主演女優と若い俳優が、色気についての話をしていて。僕はその近くでコーヒーを飲んでいたんだけれど、その女優さんが若い俳優に向かって『あなたたちは顔がいいだけ。何も匂ってこない』と。そしてスッと立って僕のところにやってきて、フーッと匂いを嗅いで『すばらしい…』って言ったんだよ(笑)」と逸話を披露して、さらにその場を沸かせた奥田。
まさに匂い立つような色気があるということが実証されたひと幕だが、「色気を出そうとは思っていない」と続けつつ、「モテるとか、色気があるというのは、決して見た目じゃないんだ。知らず知らずのうちに“オスであり続けている男”というのは、本当にモテる! 今の時代、“オス”が少なくなっているのかもしれないね。それは物心ついた時から持っているものだけれど、みんな“オス”の力が退化していっている気がします。文化の力や、自然の空気を感じ取って、想像力豊かな感性を持っている人は、知的かつ、“オス”でいられると思う」と持論を展開し、「僕はまだ進化し続けるよ」と笑顔で宣言した。映画人として、男として、前進し続ける彼から目が離せない。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
映画『かくしごと』は、6月7日より全国公開。