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菅野美穂、子育てを経験し母親役に挑む心境に変化 「こうなりたい」と思った理想の母親像とは?

映画

◆作品で接してきた母親役で印象に残るキャラクターは?



 菅野はこれまで、今回のように実在の人物、しかも存命中の人物を演じる機会も多かった。架空のキャラクターを演じるケースと比べて、役へのアプローチの仕方は変わってくるのだろうか? そう尋ねると、「イメージを作っていくというよりは、逆に現実にあるどなたかに自分を近づけていくというか…。ちょっと違いますよね」との答えが。「内面もですけど、特にフジコ・ヘミングさんを演じた時は、フジコさんの感性が外側に表れたのが服やヘアスタイルだったりするので、いろいろな資料や動画を見て研究させていただきました。向井千秋さんを演じた時は、向井さんはすごくさっぱりして明るくて、自分にもそういう要素はあるんですけど、やっぱりどこか違っていて…。難しいなと思ったのを覚えてます」と振り返る。

 しかし、「あの方々の歩まれ残されたものを疑似体験できるのは、すごく幸運なこと。フジコさんの役がなかったらピアノをあんなに必死にやることもなかったし、向井千秋さんの役をやらせていただいたから、息子に宇宙飛行士になってもらえたら最高だなと宇宙に興味を持ったり。自分の世界を広げてもらえました」と難しさの中にやりがいを感じている。

 今回演じた陽子さんについては、「うちは子どもが2人なんですけど、(筒井家は)3人で、2人と3人では全然違うと思うんです。そのうえ、子育てをしながら、通院もありつつ、完全に娘を治してくれるお医者様と出会えないかと東奔西走なさっていた。本当に気持ちの意味でも休みなく、常に動いてらっしゃったんじゃないかなと思います」と感服。しかし、「何においても自分以上の方だなと思うのですが、子育てをしているという面においては、共感できる部分が多くありました」とも語る。


 最近は母親役を演じる機会も多いが、20代前半で出演した『君の手がささやいている』や、朝ドラ『べっぴんさん』など、若い頃から母親役に挑戦してきた。実生活でも母となり、演じる際の心境の変化はあるのだろうか?「昔は子どもってかわいいなとか、愛しいなっていう気持ちはなんとなく想像できていましたが、子育てが大変だっていうのはまったく想像できてなかった」と笑う。「同じことを繰り返し、毎日コツコツ積み重ねていかなければいけない。芸能界のお仕事って毎日違うので、毎日同じことを同じ時間にすることが、すごく苦手だったんだって改めて気づきました(笑)。これまでの自分の人生で避けてきたものを補填している時期なのかもしれないですね」と明かす。

 これまで多くの母親を演じ、娘役としても多くの母親と対峙してきた。印象に残っている母親像を挙げるとすると、どの作品になるだろう?「『君の手がささやいている』で木内みどりさんがお母さんを演じてくださったのですが、その時の手話が、ご自身の人柄がすごく出ている手話だったんです。私は手話に気持ちを込めるという感じなのですが、木内さんはしゃべりながら手話をするので、もっとニュアンスのある手話というか、説得力があって、力強さもあって…。木内さんの演じてくださったお母さんは、『つらいこともあるのよ、でもそれでいいのよ』っていう肯定感があり、自分が子育てをしていて、そういうふうになれるだろうか、こういうお母さんになりたいなって思ったのを覚えています」と振り返った。

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◆たまの息抜きは「フルーツのお取り寄せ」

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