阿部サダヲ、“思い出の歌舞伎町”で挑む新たな『ふくすけ』「過去に観た人は1回忘れて」
――さて、今回は副題に「歌舞伎町黙示録」と入っています。東京公演の会場も歌舞伎町のど真ん中に建つTHEATER MILANO‐Za。今期は宮藤さんの脚本ドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系)の放送もあったり、何かと歌舞伎町が話題ですが、阿部さん自身の歌舞伎町初体験はいつですか?
阿部:中学生のころ、キョンキョン(小泉今日子)の『生徒諸君!』という映画を観に行きました。誰かが舞台あいさつがあると聞きつけて、仲間3人くらいと一緒に朝4時ごろから、当時あった映画館の外に並びました。でも僕たち含めて5人くらいしかいなくて。舞台あいさつは別の劇場だったんです。結局、先着何名様だかに配られたシャンプーをもらって帰りました。
――朝4時の歌舞伎町というと、夜の街の空気も残っていそうです。
阿部:そうですね。でも怖い感じはなかったです。もっと大人になってからは、裏にあるバッティングセンターのほうまでグルグルしたり。あ、僕は初舞台も新宿なんです。シアタートップスで。あと今はもうなくなっちゃったコマ劇場の地下にあったシアターアプルとかですね。
――ありましたね。懐かしいです。
阿部:そんな新宿で今またやれるというのは、なにか不思議だし、特別な感じがします。それをこのキャストと、この劇場で。過去に『ふくすけ』を観た人は1回忘れてください。初めて観る人はちょっと衝撃を受けると思いますけど。ただ今回は劇場に来るまでに、歌舞伎町の街を通って、お客さんの気持ちがアップできているのはいいかもしれません。ずっと忘れられない作品になる気がします。(取材・文:望月ふみ 撮影:上野留加)
COCOON PRODUCTION 2024『ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-』は、7月9日よりTHEATER MILANO‐Zaにて上演。