水樹奈々、25年の感謝と進化——ニューアルバム『CONTEMPORARY EMOTION』が描く新たなステージ
――ファンのみなさんとの絆を強く感じる瞬間は?
水樹:やはりライブですね。直接ファンのみなさんの顔を見て、「この曲をこんなふうに楽しんでくれてるんだ」とか、「こんな風にペンライトを振ってくれるんだ」と感じられるのが、すごく嬉しくて。ペンライトの動きひとつひとつからも、“今この瞬間を共有している”という喜びが湧くんです。ライブのあの空間こそが、ファンのみなさんとのつながりを最も強く感じられる場所だと思っています。
だからこそ、私にとってライブは人生で一番楽しくて、一番幸せな場所です。これからも毎年欠かさず、続けていきたいですね。
それと、47都道府県をツアーで一気に回りたいという夢もあります。平日は声優の仕事があるのでロングツアーはなかなか難しいのですが、いつか実現できたら嬉しいです。
――ぜひ実現してほしいです。ちなみに、これまでファンの方からもらった言葉でとくに印象に残っているものはありますか?
水樹:ファンのみなさんからのメッセージにはいつも大きなパワーをもらっています。たとえば、「この曲を聴いて受験を頑張れました」「就職活動中に励まされました」「仕事で落ち込んでいるときに救われました」「結婚式で流しました」といった声をいただくことがあって。そんなふうに、私の楽曲が誰かの人生の大切なワンシーンに寄り添っているんだと思うと、本当に幸せな気持ちになります。アーティストとして、これ以上の喜びはありません。
音楽って、記憶とすごく結びついているじゃないですか。その曲が流れると、「あのとき、こんなことがあったな」と鮮明に思い出せる。だからこそ、みなさんの人生の大事な瞬間に自分の曲が一緒にあることが、本当に嬉しくてたまらないんです。
私自身にも、そうやって思い出と強く結びついている曲がたくさんあるので、ファンのみなさんにとっても、そんな特別な一曲になれていたら、こんなに幸せなことはありません。世の中にある無数の音楽の中から「これだ」と選んでそばに置いてくださることが、心からありがたいなと思います。
――アーティスト冥利に尽きますね。また、これからのライブや活動を通じて、どのような“エモーショナルな瞬間”をファンのみなさんと共有していきたいですか?
水樹:ライブでみなさんと思いっきりはしゃぐのは大前提として、そこに加えて、いろんなサプライズを仕掛けて「ドーパミンが一気に放出される瞬間」をたくさん作りたいですね(笑)。
水樹のライブといえば、ど派手な演出や、いい意味で予想を裏切る展開が恒例なので、「そう来たか!」と驚いてもらえるようなことを仕込んでいきたいです。時にはシンプルな構成で「え、今回はこう来るの?」と意表を突くこともあるかもしれませんし、「また変な乗り物に乗ってる!」とみなさんに笑ってもらえるような演出を考えるのも楽しみです(笑)。
もちろん、新たなチャレンジも色々としていきたいです。それから「晴天の甲子園でもう一度ライブをしたい!」という夢もありますし、20周年記念ライブでツアーファイナルを迎えるはずだった名古屋ドームでの公演もいつか必ずリベンジしたいという想いもあります。
ファンのみなさんと一緒に夢を叶えていく瞬間、新しい景色をともに見られる瞬間を、これからも作っていきたいですね。
――最後に、ファンのみなさんへメッセージをお願いします。
水樹:気づけば、もう25年。こんなにも長く歌い続けることができて、定期的にCDをリリースし、ライブを開催し続けられるなんて、本当に幸せなことです。それもすべて、ずっと応援してくださるみなさんがいてくれるからこそ。感謝してもしきれないほど、本当に心から「ありがとう」という気持ちでいっぱいです。でも、この想いは「ありがとう」だけでは伝えきれないんですよね。
だからこそ、この想いを形にするために、これからもみなさんがワクワクするような楽しいステージを届け、心に響く楽曲を生み出し続けていきたい。そして、「まだまだ進化し続ける水樹奈々」を全力でお見せできるように頑張ります!
“77”歳になるまで全力で攻め続けますので、これからも一緒に最高の時間を過ごしましょう!
(取材・文:吉野庫之介 写真:小川遼)
水樹奈々ニューアルバム『CONTEMPORARY EMOTION』は、発売中。