流れ星☆ 『ゴッドタン』ガチゲンカから5年 たきうえ「見せちゃダメだった」 ちゅうえい「あってよかった」

甘いマスクのたきうえと、お笑い界屈指のギャガーちゅうえいからなるお笑いコンビ・流れ星☆が、今年デビュー25周年を迎える。毎年恒例の全国をめぐる単独ライブツアーが「単独ライブツアーFINAL〜大炎回〜 supported by ナガセスッポン養殖場」として7月にスタートするが、タイトルのとおり今回10回目にして「FINAL」だという。近年、不仲で注目されがちな流れ星☆だけに、「FINAL」なのは少し不穏に感じるが、なぜ今回で幕を閉じるのか。理由を聞くと意外な回答が返ってきて…。
【写真】撮影も全力で応じてくれた流れ星☆
■『THE MANZAI』敗退で味わった挫折 売れるために信念曲げたあの日
――今年でデビュー25周年ということで、これまでの芸人人生でターニングポイントとなった出来事をお聞かせください。
たきうえ
たきうえ:僕は2012年、まだ賞レースだった頃の『THE MANZAI』(フジテレビ系)です。脂の乗り切った同世代のコンビが続々と決勝進出を決める中、僕らだけ行けませんでした。毎年挑戦し続けた『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)も決勝には一度も行けなかったですが、『THE MANZAI』が始まったときは下馬評で「次は流れ星☆だ」なんて言われていたのに、予選すら通過できなかった。その時、僕の心が一度完全に折れちゃったんです。
それで「もう賞レースで結果を残すより先にシンプルに売れよう!」と、思い切って方針転換を決断。敗退した次の日にはちゅうえいをマクドナルドに呼び出して「今日から俺の漫才にちゅうえいのギャグを入れようと思う」「これからはネタ4分間を“ちゅうえいプレゼンショー”にしよう」と伝えたんです。
そこから風向きが変わりました。「渋谷La.mama」(東京・渋谷にあるライブハウス)のライブを見に来てくれたスタッフさんの目に止まり、『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の「おもしろ荘」に呼ばれて優勝。さらに2013年の『THE MANZAI』では決勝まで進むことができました。
それまで自分が作ったネタという作品の中にちゅうえいという異物を入れるのが本当に嫌だったんですけど、その信念を曲げたことが結果につながったので、僕にとっては大きなターニングポイントです。よく「流れ星☆って昔から芸風が変わらないよね」って言われるんですけど、全然! やってる自分たちからしたら、ネタについては途中で180度変わりました。
■ 先輩から言われた「流れ星☆のコント本当に面白くない」が転機に
ちゅうえい
ちゅうえい:もっと前、デビューしてすぐにも一つ大きな出来事があります。僕らはもともとコントしかやってこなかったんですけど、「バカ爆走!」(プロダクション人力舎が開催する若手芸人主体のライブ)に出演したときに自信のあるネタをかけて、マジでその日群を抜いてスベったんです。追い打ちをかけるように、そのライブ終わりに楽屋まで来たMCの田上よしえさんに「ちゅうえい君、流れ星☆のコントって本当に面白くないね」って言われ、それが自分たちのネタを見つめ直すきっかけになりました。
その直後、コンビがそれぞれ2本ずつネタをやるライブに呼ばれたときに「コントはウケないし、もう1本は2人で最近あったことでもしゃべってみようか」と試しにやってみたら、漫才もやったことなかったのに、コントよりウケたんです。
――え、それまで漫才やったことなかったんですか?
ちゅうえい:やったことなかったです。浅井企画に入る前に路上で活動していたときもコントしかしたことなかったのに、そのしゃべりがコントよりウケたもんだから、「自分たちって漫才の方が性に合ってるのかも」となって、そこから漫才をやり始めたんです。そしたら『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)で結果が出せたし、他の事務所のライブで優勝もできました。だからあの田上さんの言葉がターニングポイントですね。
たきうえ:それはターニングポイントじゃなくて、たーのうえ(田上)ポイントだね!
ちゅうえい:…いい話してるのに変な加工するのやめてくれる?