加藤シゲアキ、映画監督業でもクリエイティブな才能を発揮 後輩・正門良規をキャスティングした理由とは?
映画『MIRRORLIAR FILMS Season7』より加藤シゲアキ監督作『SUNA』場面写真 (C)2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT
――正門さんをキャスティングした理由を教えてください。
加藤:短編だとどうしてもワンシチュエーションになりがちなのですが、そういう当たり前の形にしたくなかったんです。そうするとスケジュールがパンパンになる。そうなった時に、キャストとコミュニケーションを取る時間も限られるし、1から関係を構築する時間はないかもしれない。僕を信用してくれてる人じゃないと難しいかもしれないというのがあって、正門は僕の初めて書いた戯曲に出てくれているので、僕の芝居を1回やっているわけですよね。僕の文体を一度体に入れている人だからスムーズにできるだろうという思いがありました。もちろん彼自身に興味もありましたし、一緒にお芝居をしたことはなかったので面白いかなと思いオファーしました。
――正門さんのどんなところに魅力を感じますか?
加藤:もともと力強いやつだなと思っていたんですよ。声や体つきとか力強いんだけど、柔らかさもちょっとあるという独特のバランスがいいなと思いました。普通の人も演じられるし、文系にもいければ体育会的なキャラクターにもいける。そうした器用さが弱みになるケースもあると思うんですけど、彼の場合は独特のバランスで、今それが成熟してきているなという印象があります。
15分の作品だと短い中で変化を表現していかないといけないので、難しいのって役者だと思うんですよね。でも彼は最初から役をつかんでいて、自分が表現すべきアプローチが明確だったので助かりました。
――前回、加藤さんの戯曲『染、色』に出演されていたころからの進化は感じられましたか?
加藤:戯曲に出てくれた時は、役どころもあってか窮屈そうな感じだったんです。もっとのびのびやってほしいなと思うことがあって、そういう話をしたんですよね。でも今回間近で芝居を見て、柔軟さもどんどん習得していました。
今回はホラー的な要素が多いので、顔芸というかどれくらい表現していいか難しかったと思うんですよ。でも、もっとやってくれと言ったときにちゃんとやってくれるんです。どんどんどんどん指示したとおりにやってくれるというのは運動神経がいいんだと思いますし、今後いろいろな監督から愛される役者になっていくんじゃないかなと感じましたね。
映画『MIRRORLIAR FILMS Season7』より加藤シゲアキ監督作『SUNA』メイキング写真 (C)2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT
――NEWSとしてのアイドル活動、ソロ活動、小説などの創作活動、そして今回の映画監督挑戦と、多岐にわたるジャンルに精力的に臨まれている加藤さんですが、活動を続ける中で上手くいかず落ち込むことはありますか?
加藤:上手くいかないなとか、もっとああしておけばよかったなと落ち込むことはやっぱりあるんですけど、解決できるものだったらなんとかしようとしますが、終わったことや上手くできなかったことは忘れるしかない。そういう時に、いろんな仕事をさせてもらっているので、やることがいっぱいあるんですよね。1つのことばかり考えていられないというのはありがたいなと思います。
ライブとかでうまくいかなくても、その日はすごく悔しいけれど、「帰って原稿を書くか」と次にやることがいっぱいあるから、それに引っ張られすぎず、考える時間がない。それが僕がこうやっていろいろな活動をやってこられている理由なのかなと思います。
(取材・文:佐藤鷹飛 写真:松林満美)
加藤シゲアキが監督した『SUNA』を含む『MIRRORLIAR FILMS Season7』は、5月9日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国の劇場で2週間限定上映。
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