加藤シゲアキ、映画監督業でもクリエイティブな才能を発揮 後輩・正門良規をキャスティングした理由とは?

NEWSとしての活動はもちろん、ソロとしてもドラマ『あきない世傳 金と銀2』や舞台『エドモン〜「シラノ・ド・ベルジュラック」を書いた男〜』に出演、さらには2012年から開始した作家活動は二度直木賞候補になるなど、幅広いジャンルでその才能を発揮する加藤シゲアキ。この春、2作目の映画監督作『SUNA』が公開される。本作について話を聞くと、映画監督業の面白さや、共にダブル主演を務めたAぇ! group・正門良規の魅力などをたっぷりと語ってくれた。
【写真】多彩な活動で魅了する加藤シゲアキ、撮りおろしショット
◆15分の短編をアートハウス的なものに逃げずエンタメ作品に
加藤が監督とダブル主演を務めた『SUNA』は、メジャーとインディーズを超えた多彩なクリエイターによる短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season7』の中の1作品。愛知県・東海市の全面協力のもと、砂に起因した奇妙な事件を追う二人の刑事の姿を描くホラー作品だ。
砂によって窒息死するという奇妙な事件が多発する東海市。人の身体が砂に埋め尽くされるという死因に、本当に人の仕業なのかと怪しむ刑事の狭川(加藤)と遠山(正門)。そんな中、遠山の家に砂が落ちている現象も発生。骸骨や炎に包まれる遠山など不穏な映像が畳み掛けられる中、「あいつら、俺の砂を盗んだんだよ」という謎の男の声。その後も次々に起こる「砂」による窒息死。これは呪いなのか、はたまた誰かの仕業なのか―。
――監督オファーを聞かれた時のお気持ちは?
加藤:驚きました。作家デビュー10周年のときにショートフィルム(『渋谷と1と0と』)を1本撮って、その時もすごく楽しさはありつつ難しさも実感し、いつかまた機会があればこういうこともあるかな?くらいの気持ちでいました。
『MIRRORLIAR FILMS』というプロジェクト自体はプロデューサーに共通の友人がいたので面白い試みだなとひとごとのように聞いていたんですけど、まさか自分のところに話が来るとは思っておらず。1度撮った経験があるので余計に、監督という立場は簡単なことではないと思っていましたし、アイデアが浮かぶかどうか、本当に自分がやりたいかどうか、少し考えさせてほしいとお伝えしたんですけど、結果的にやっていました(笑)。
――『MIRRORLIAR FILMS』というプロジェクトの印象はいかがでしょう。
加藤:官民一体で地域と協力して物を作るという試み自体、映画ってなかなかロケ地を借りることが難しかったりもしますし、そういった部分で地元の方の協力はあればあるほどスムーズに撮影に臨めるだろうと思いました。
また『MIRRORLIAR FILMS』にはさまざまなジャンルの方が映画に参加されるので、そういった部分でもすごく面白いチャレンジだなと思っていました。僕自身アイドルをやりつつ小説を書き始めた時に、文芸界が僕に対して偏見を持たずに歓迎してくれた経験があるので、こういった試みは支持しなくてはいけないと感じましたし、別のジャンルから新しい風を求めるという姿勢は素晴らしいなと思いました。
同時に生半可なものは作れないということは経験して知っているので、これをやって期待に応えられるかどうか、自分自身に対して厳しい視点で向き合わなきゃいけないという思いもありました。
映画『MIRRORLIAR FILMS Season7』より加藤シゲアキ監督作『SUNA』場面写真 (C)2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT
――そんな中、監督とダブル主演を務められた『SUNA』ですが、発想の起点を教えてください。
加藤:ほかの皆さんがどんな作品を作られるか分からなかったですし、ホラーみたいなオカルトスリラーとかそういうものを15分でまっとうに作ろう、アートハウスなほうにあまり逃げないでエンタメ作品を作ろうと考えました。
砂のホラーが面白いんじゃないかと思った理由は、自然物でもあっても、あるべきところじゃない場所にあるとすごく気味が悪い。砂ってどこにでもあるはずなのに、家の中にあったら嫌だし、口の中にあったら当然嫌(笑)。そんなところが面白いなと思ったことがきっかけです。砂かけばばあって本当にいたら嫌だなとか、なんで砂をかけるんだろう?とか思ったり(笑)。小説を書くときもそうなんですけど、なんでだろう?と当たり前を疑ったりするところから始まることが多いです。
刑事2人の物語にしたのも、僕がバディものに興味があったというか。15分でしかできないことをやろうというのが普通なんですけど、僕の中では2時間やるジャンルムービーをトレースした15分にしたかった。15分の短編を作っていくと、アートハウス的になる。それはそれで楽しいんですけど、超エンタメの15分ってできないのかな?と。いろんなパターンを考えたんですけど、ジャンルムービーとしてのバディものがいいなという結論になりました。
◆2作目の監督業 現場での時間配分に難しさ
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