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丸山隆平「覚悟もあった」 40代で迎えた主演映画『金子差入店』で新たな“顔”を見せる

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■丸山が撮影を回想 北村匠海との対峙シーンは「僕にとって財産になった」


丸山隆平 クランクイン! 写真:高野広美
――丸山さんが芝居をするときに最もこだわることは?

丸山:観ている人が違和感なくナチュラルに感じられることですね。この作品でいえば、観ている人が「差入屋」という職業を知らなくても、これだけストレスを抱え、社会からいろいろな目で見られて、近所から後ろ指をさされる場合もある職業だけど、人のためにもなっているし、やりがいもあるということを、見た目の物理的な違和感も排除して届けられたら一番理想だなと思いますね。そう思いながら、どれだけ緻密に大胆に役にアプローチできるかを考えました。

――監督ともそうした違和感をなくせるよう話を積み重ねていったんですか?

丸山:そうですね。監督は現場では方位磁石の指針なので、違和感だと思ったら、方向が違うと思ったら修正してもらいました。

――古川監督の印象をお聞かせください。

丸山:よく動く、よく気がつく監督だなって思いました。助監督としても重宝されるぐらい現場を円滑に回す役割もできる方なので、現場で先導しながら、動いちゃうのを我慢しているような印象でした。それと、監督の人間らしい部分が人を惹きつけているんだなと思いました。モニターで芝居を見終わった後に、監督が人知れず涙を拭いてたんです。それを見て、監督の描いていることが映像で体現できたんだなと思いました。だから重い、演じる側からすると(苦笑)。でも、そうしたいと思わせてくれる人ですね。あんな大男が涙を流しているのを見たら、こっちもグッとくるというか…弱いですよね(笑)。そういう人間味のある監督だからこそ、現場には「この人の長編初監督作品をいいものにして、彼の代表作にするんだ!」というみんなの思いが充満してましたね。熱量が高くて、いい現場でした。

映画『金子差入店』場面写真 (C)2025映画「金子差入店」製作委員会

――今回、初の父親役を演じられましたが、金子の息子・和真役の三浦綺羅さんや妻・美和子役の真木よう子さんとの家族の雰囲気や距離感はどのようにできあがっていきましたか?

丸山:僕自身、親やきょうだいと一緒に生活して独り立ちをしましたけど、家族ってワンチームなようでいて意外にそれぞれバラバラなんですよね。差別ではなく、男女というだけで性質や思考も違うから…家族一人一人、孤独なんですよね。金子家も子どもは子どもで言えない悩みがあり、妻は妻で、真司は真司で悩みがあるんです。もし金子家が絵に描いたように仲睦まじい家族だったら、そういう家族の雰囲気を構築できると思うんですけど、今回はそうした仲の良い空気を作ろうというようなことを、みんなが努めてしていなかったです。でも、(金子真司の伯父・星田辰夫役の)寺尾(聰)さんは、撮影以外でも綺羅に自然に絡んでいましたね。綺羅も含めてみんながプロフェッショナルなので、家族の雰囲気作りを意図してやっていた人もいれば、感覚でやっている人もいてやり方は人それぞれですが、家族って一見ひとつに見えるけどバラバラ…という距離感が自然とできていました。

綺羅と役以外でそんなに絡んでないですけど、共演者として普通にご飯を一緒に食べたり、僕が楽器をやっているのを綺羅が知ってくれていて、「ギターをこれから始めたいんだけど…」と言っていたので、「俺、ベースやけど、ギターもやってたから話を聞くよ」という話をしたり、「寺尾さんにそれ聞いてみたら?」と言ってみたり…そんな話をしていました(笑)。食卓のシーンの中心になっていたのも綺羅でしたね。(二ノ宮佐知役の川口)真奈ちゃんも一緒に食卓を囲むシーンがあって。綺羅が率先して今流行ってるTikTokの面白動画のマネをして、それをみんなで一緒に本番でやったりしたことも(笑)。食卓のシーンは結構フリーだったので、いい距離感の関係性がにじみ出たんじゃないかなと思います。

――北村匠海さん演じる殺人犯の小島高史との対面シーンは、演じてみていかがでしたか?

丸山:金子も一度罪を犯した人間だけど、小島と接するなかで、目の前の人間と自分の何が違うんだみたいなことを、改めて自問自答のように問いかけられるようなセッションだったと思います。小島は他人ではあるけど、他人事とは思えない特異な感じがしたんです。そう感じたのは、きっと北村さんの中で独自のレシピで作ったあの芝居だからだったと思います。小島って違和感が出やすい役だと思うんです。やりすぎてしまうし、形に走った方が楽だけど、北村さんにはそうしたものに逃げている感じが当然ありませんでした。古川監督も北村さんの演技を大絶賛していて、ちょっと嫉妬しましたね(笑)。技術もそうだし、キャリアだけじゃない彼の苦しんできたものっていうのが役でアプローチできるそのすごみは、時間を経てじわじわ感じられるというか…。あの時、役として北村さんと対話できたことが僕にとって財産になっている気がします。

映画『金子差入店』場面写真 (C)2025映画「金子差入店」製作委員会

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■「学ばせてもらった」 丸山が大事にする父の言葉とは?

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