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『ミッション:インポッシブル』の撮影は「本当に大変(笑)」 前作から参戦のポム・クレメンティエフが壮絶アクションを赤裸々告白

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■母国語はフランス語 トム・クルーズにも伝授

──本作でのセリフはほとんどフランス語でしたね。ハリウッドデビュー前は多くの仏語作品に出演されていたこともありますが、『ミッション:インポッシブル』のような大作で母国語を使って演技をしたことについてはいかがでしたか?

ポム:実は英語を話したかったけど、彼らが私にフランス語を話させたかったんです。だから私は「わかった、でも英語で答えるの?」って聞いたんです。フランス語に対して英語で答えるなんて、ちょっとおかしいから。そしたら彼らは「いいえ、私たちもフランス語を話す。だからあなたに教えてもらわなきゃね。助かる!」って言われました(笑)。

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』 (C)2025 PARAMOUNT PICTURES.
そこから、「こういう風に言えばいいよ」ってフランス語の話し方を他の出演者に教え始めました。何度もセリフを繰り返して、その音声を録音してボイスメッセージで送ったり。特にトムはすぐに何でも覚えるし、コツも掴(つか)む。フランス語もとても上手だからアクセントも完璧で、彼の言葉はとてもよく伝わるものでした。

──なるほど、ではみなさんのフランス語の発音指導をあなたが手伝ったんですね?

ポム:ええ。でも大変だったのは、マッカリー監督が英語で言うべき文章を考えてくれて、「これをフランス語で言える?」と言われたこと。私は「OK、でもうまくいかないよ」と答えるんです。だってそれって翻訳みたいなもので、当たり前だけど英語とフランス語って全然違うから。英語ってもっと効率的な言語なんです。英語は単語を少なくして、要点をストレートに言うんです。一方、フランス語はいろんな言葉を付け加える。日本語とちょっと似ていますよね? だから私は「うーん、このセリフ自体フランス語では通用しない」とか「いや、そんなことは言わない」とアドバイスをしていました。実際のところ、(アメリカ人とフランス人では)考え方や話し方がすごく違うから、全然違うことを言うんですよ。だから時々煮詰まってしまって、でも「ねえ、これってどう言えばいいかな?」なんてあんまり人に聞き回りたくないじゃないですか。だから全部自分でやろうとして少し大変でした。

──言語の変換はとても骨の折れる作業ですね。

ポム:もう、私が監督したと言っていいくらい!(笑)それは冗談ですが、いつか監督をしてみたいと思うこともあります。例えば手錠をはめた戦闘シーン。あそこのシーンをマッカリー監督はハイキックで撮りたかったんです。それは私にとっても長年やりたかったアックスキックのようなもので、すごくかっこいいんですよ。それを撮ったものをモニターで見たとき、「ああ、ここだとカメラの高さが足りないな。もっと低く撮ったほうが力強く見える」と、思いました。そのキックのために何年もリハーサルをしてきたし、格闘技のトレーナーとの会話をその時思い出したんです。


彼は「いつか、このキックを映画でやる日が来るよ!」と言っていて、だから私も「いつかこのキックを映画でやるんだ!」という気持ちで3年間練習してきた。思い入れが強かったんです。なので、まずiPhoneで試しに撮影してみて、「こっちのアングルの方がかっこいい」という角度を探して、「もう一度カメラを低くして、もっとパワフルに見えるように」と再撮影を判断してやり直しました。そうしたら長い間リハーサルしてきた甲斐がある、すごく良いものが撮れたんです。あれは本当に良い体験でした。

──迫力あふれるアクションシーン、お話を聞いてますます魅力が増しました。マーベル・スタジオ作品や、「ミッション:インポッシブル」シリーズなどハリウッド大作への出演が重なり、存在感を発揮していますが今後の展望について聞かせてください。

ポム:とにかく、ただ優れた監督と仕事がしたい。それが夢ですね。実はつい最近ギョーム・ニクルー監督と『Mi Amor(原題)』というフランス映画を撮ったばかりなんですけど、すごく濃密で美しい撮影だったし、素晴らしい人たちと一緒に仕事ができて、とても充実していました。本作は予算も少なくて、いわゆるインディペンデント作品だったから、『ミッション:インポッシブル』とは正反対な作品でしたが、こんな風にいろんなタイプの作品に挑戦し続けたいですね。

──最後に、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』を楽しみにしていた観客に向けてメッセージをお願いします。

ポム:ただ、映画を楽しんで観てほしいです。配信を待つのではなく、大きなスクリーンの映画館で観てください。他の観客と一緒に体験する作品です。劇場で観ることを強くお勧めします。

(取材・文:アナイス/ANAIS 写真:高野広美)

 映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は、5月17日~22日まで日本国内先行上映、5月23日より日米同時公開。

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