吉岡里帆&水上恒司が初共演! 「水上くんは原作から飛び出してきたかのよう」「吉岡さんの表情が忘れられない」
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(左から)吉岡里帆、水上恒司 クランクイン! 写真:高野広美
――本作の舞台となる、かつて香港に存在した九龍城砦を再現するため、今なお狭く雑多な路地裏など古い街並みを残す台湾で撮影されたそうですね。今回、真夏の台湾での撮影はいかがでしたか?
吉岡:漫画の登場人物たちが常に汗をかいてジメジメしていて…でもそれがどこか色っぽいなと感じていましたが、台湾で撮影したことでその雰囲気を再現できたと思います。1カット1カットが、台湾の暑さと光によって作られているので、台湾で撮影できて良かったなと。それと、台湾のスタッフの皆さんはオンオフのメリハリが素晴らしかったです。「食事の時間はしっかりとって、おいしいご飯食べる」という意識があって、温かくておいしいご飯を毎食7~8種類用意してくださったんです。現場の士気もすごく高まりました。我々を応援してくれるような空気感の中で撮影できたことも良い思い出です。
水上:「蛇沼製薬」宣伝スタッフ役の関口メンディーさんが派手に暴れているシーンがあるんですが、その撮影のためだけに台湾に来てくださったのが印象に残っています(笑)。そのシーンでは、現地の実際の住居で朝7時ぐらいから撮影をして、どんちゃん騒ぎをしているというシーンだったんです。本番中に音の振動で建物が揺れるぐらいの騒ぎでした。でも、そこに住んでいる方々がニコニコしながら撮影を見てくれてるんです。それは大変ありがたかったですね。もちろん申し訳ない気持ちもあるんですけど、その気持ちをも超える人の温かさを感じました。そうした現地の方々のおかげで、この作品が成り立ってるんだなと思いました。撮影も、エキストラの方ではなく、ただそこに座っている現地の方がいてもカメラを回すんですよ。
――そうなんですか?(驚)
水上:「いいんですか?(驚)」とスタッフさんに聞いたら、「いい、いい!」と言ってカメラを回して…。そのノリに便乗して、僕も「おう、おばちゃん!」とか言って現地の方に話しかけたら、その方が芝居をしてくださるんです。芝居をするつもりがあるのか、ないのか分からないんですけど(笑)、あの撮影はなかなか日本ではできない撮影の仕方だと思うので、ありがたかったです。
水上恒司 クランクイン! 写真:高野広美
――そんな撮影の合間に、台湾の街は楽しまれましたか?
吉岡:みんなで居酒屋に行きましたよね。
水上:行きましたね。
吉岡:屋台の居酒屋でカエルのスープが出てきたのは、結構チャレンジングな出来事でした(笑)。それと、海苔にサラダを巻いて食べる料理が好きでした。
水上:カリフォルニアロール的な料理ですよね。
吉岡:そうそう(笑)。居酒屋のゆる~い感じも居心地がよかったです。そういえば、隣の席に座っていたグループが何度も乾杯をしにきてくれたんです。乾杯を促されたら飲まなきゃいけないという台湾のルールがあるようで、すごくニコニコしながら何回も乾杯しました(笑)。
――現地の食事で特においしかったものは?
吉岡:地元の方々におすすめの料理店を教えていただいたのですが、一番思い出深いのは酸っぱい白菜の鍋です。発酵した白菜を大量に入れるのですが、本当においしくて何度も食べに行きました。
――ちなみに、日本から持参したものはありましたか?
水上:ハンディ扇風機なんですが…全く通用しないぐらい暑かったです(笑)。風を送っても熱風が来るだけだったので、諦めるしかなかったです(笑)。
吉岡:(笑)。私はフリーズドライのお味噌汁は持っていきました。
水上:何対策ですか?
吉岡:日本が恋しくなっちゃった時の対策です(笑)。
――(笑)。そんな濃い台湾ロケを経て完成した映画版がいよいよ公開に。原作やアニメを観ている方も楽しめるポイントを教えてください。
水上:実写ならではの“生々しさ”ですね。そこを武器にしたいですし、それが映画版の魅力なんじゃないかなと思います。
吉岡:映画版は、一瞬のトキメキとか、「理屈じゃなくて好きなんだよなぁ」という気持ちを感じられる作品になっています。疾走感や、恋が止まらない感じ、気持ちがあふれ出るような瞬間の描写は、映画版のポイントだと思います。
(取材・文:齊藤恵 写真:高野広美)
映画『九龍ジェネリックロマンス』は、8月29日より全国公開。
映画『九龍ジェネリックロマンス』メインビジュアル (C)眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会