森田剛、新しい道を歩き始めてまもなく4年「人との関わり方がより深くなっている」
――今年デビュー30周年を迎えられます。振り返るとどんな30年でしたか?
森田:どうでしたか?って言われると長かったですねという感じですかね。本当にいろんな経験をさせてもらって、その結果、今があると思っているので。
――30年の中でターニングポイントになった出来事を挙げるとすると、どんな出会いになりますか?
森田:やっぱり初舞台(2005年/『荒神~AraJinn~』)ですかね。25歳くらいだったと思うんですけど、そこで舞台を経験できて、それが今もこうして続けてこれているというのがうれしいですね。
正直それまで舞台を観たこともなかったですし、自分が舞台に立つということが想像もできなかったので、本当に何も分からず、何もできずで飛び込んだっていう感じだったんですけども、そこでの経験はやっぱり大きかったですね。
――ドラマなど演技のお仕事にはデビューのころから抵抗なくすんなり向き合えていましたか?
森田:どうだったかなぁ…。あまり憶えていないですけど。でも、舞台を始めてからですね、演じるということが楽しくなったのは。それまでは好きかも嫌いかも分からない感じでした。
――グループを離れて、1人で新しい道を歩き始めて3年以上経ちました。この3年でご自身の中で変わったことはありますか?
森田:基本変わってないですね。でも、人との関わり方がより深くなっていっています。それと同時に人に支えられて自分は生きているんだなと思うので、なんとか結果として返していけるように、1つずつしっかりやっていきたいなという気持ちがより強くなってきている感じがします。
――さまざまな役を演じてきた森田さんですが、今後チャレンジしてみたい役はありますか?
森田:何かなー。けっこう年齢的には中途半端で難しいとは思うんですよね。でもなんか、昭和の刑事とかやりたいですね。刑事やったことないんで。犯人のほうが多い(笑)。あとは時代劇とかもいいですよね。
――追い詰められていく森田さんも素敵ですが、コメディ作品での森田さんも拝見したいです。
森田:あぁ!軽いのもいいですよね。
――最後に作品を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いいたします。
森田:正直まだどんな感じになるのか分からないんですけど、でも、何か痛みを感じていて、現実から目を背けたいことや、生きづらい世の中に対していろんな思いを抱えている人が多い中で、シンプルですけど自分を信じることだったり、自分の愛する人を信じることだったり、そういうなんでもいいんですけど自分の中の希望みたいなものを表現したいなと思っています。見た人がどういう気持ちになるか分からないですけど、普段の生活の中で満たされない部分が満たされるような、そんな舞台になればいいなと思っています。
今回の作品はけっこう映像的だとも思うんです。舞台でやるってチャレンジングなんじゃないかなって思っていて。すごいものが舞台でできそうな気もするし、作ったものとリアリティとが混合した気持ち悪いものができそうな感じもする。新しいもの、新しい感覚、気づきみたいなものを感じてもらえる作品になる気がしているので、興味のある方はぜひ観に来てほしいなって思います。
(取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美)
パルコ・プロデュース 2025『ヴォイツェック』は、東京芸術劇場プレイハウスにて9月23日〜28日、11月7日~16日(リターン公演)上演。
ほか、岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場にて10月3日〜5日、広島JMSアステールプラザ 大ホールにて10月8日・9日、J:COM北九州芸術劇場 大ホールにて10月18日・19日、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて10月23日〜26日、穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて10月31日〜11月2日上演。