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坂口健太郎へ渡辺謙からエール「恐れることなく、挑戦し続けてほしい」 息ぴったりの撮影は同じ“ボケ”で大笑い

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坂口健太郎

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■渡辺「坂口と僕は似たところがある気がしてる」

――今お話しされた場面を含め、桂介と東明が盤を挟んで向かい合うシーンは、視線の絡み合いからも彼らの特別な関係性が見えるようでした。東明から桂介への“継承”も描かれる本作ですが、坂口さんは、渡辺さんとご一緒して受け継いでいきたいと思ったことはありますか。

坂口:大手を振って先頭をバーッと走っていく役者さんもいれば、全員で肩を組みながら横並びで進んでいく役者さんもいたり。もしかしたら、大手を振っていく人のスピードがあまりにも速すぎて周りが追いついていけない時もあるかもしれないし、横並びで行くことによってゴールまでとても時間がかかってしまうかもしれない。いろいろなタイプの役者さんがいて、進み方にもいろいろなことが考えられます。

その中で謙さんは、どしっとしているんだけれど、軽やかというか。とにかく現場が大好きで、周りを巻き込んでいく力のある方。誰1人置いていかず、みんなが仕事をしやすい環境を作ってくれる方で、そういうところがすごくステキだなと感じています。

坂口健太郎
渡辺:たしかに仕事への臨み方はそれぞれ違うものだけれど、その場所にいることを喜びだと感じて、みんなを巻き込んでいくというのは、僕と坂口はとても似ている気がしていて。これからも、そのスタイルは変えずに進んでいってくれたらうれしいなと。坂口も40代になったらもっと複雑で、闇を抱えているような役柄もたくさんやって来ると思うけれど、恐れることなく、どんどんいろいろなものに挑戦し続けてくれたらいいなと思っています。

――本作の撮影当時、坂口さんは33歳。渡辺さんにとって30代はどのような時期でしたか?

渡辺:僕は病気から戻ったばかりで、30代はあまり大きな仕事ができなかったんです。少し、フレームの中に収まっていたようなところがあったかもしれない。40代になって海外でも仕事をするようになったんですが、やっぱり役者ってその時々だからね。その時々に自分のやれることを、恐れずにやっていくこと。それが大事なのかなと感じています。

渡辺謙
坂口:ちょっと抽象的な言い方になってしまうんですが、僕は本作の現場や謙さんを通して、役者として以前に人として、自分のこの足でちゃんと立つということを知った気がしています。

『盤上の向日葵』場面写真 (C)2025映画「盤上の向日葵」製作委員会
――インタビュー前の写真撮影においても、坂口さんと渡辺さんが偶然にも同じボケを披露して大笑いするなど息ぴったりでした。どこか似たところのある2人が将棋に魂を燃やす男たちを演じた本作は、「生ききる」という根幹をなすテーマとともに、観客にとっても持ち帰るものがたくさんある作品だと感じます。

渡辺:命がけで何かに挑んでいる人たちを描く物語は、やっぱりそれだけの強さと深みを持っていると思うんです。『国宝』もそういうところがあって、命がけで芸に向き合っている姿がたくさんの方の心に届いている。この時代、なかなかそうやって生きることは難しいことでもある。だからこそドラマにしろ、映画にしろ、今はそういった作品が求められている気がしています。

(取材・文:成田おり枝 写真:上野留加)

 映画『盤上の向日葵』は全国公開中。

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