杉咲花&今泉力哉が明かす、『冬のなんかさ、春のなんかね』タイトル誕生の裏側とそこに込めた思い
関連 :
映画『市子』『ミーツ・ザ・ワールド』、ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』『海に眠るダイヤモンド』と、さまざまな作品で確かな存在感を放ち俳優としてますます進化を続ける杉咲花。『愛がなんだ』をはじめとする作品で等身大の恋愛模様を繊細に描き、“恋愛映画の名手”とも称される今泉力哉。そんな2人の顔合わせが早くも大注目を集めている新水曜ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系/毎週水曜22時)がいよいよスタート。今回クランクイン!では、主演を務める杉咲と、脚本・監督を務める今泉にインタビューし、“考えすぎてしまう人のためのラブストーリー”の魅力をたっぷり語ってもらった。
【写真】杉咲花、ふんわりした笑顔がかわいい! インタビュー撮りおろしショット
◆自分なりの答えを見つけ出そうとする登場人物たちに勇気をもらえる
本作は、杉咲演じる主人公・土田文菜が、これまでに経験してきたさまざまな別れや、叶わなかった恋などから、人を好きになることにどこか怖れを抱いていて、「大切な人とはつきあわないほうがいいのではないか?」「そもそも恋愛とはなんなのか?」などとためらいながらも前に進んでいくラブストーリー。文菜を取り巻く男性陣に、成田凌、岡山天音、内堀太郎らが顔をそろえる。
――本作はどういったきっかけで生まれたのでしょうか?
今泉:杉咲さんと何かやりませんか?というお話をいただいたところが始まりです。僕は普段映画を、その中でも恋愛物を多くつくっているのですが、わかりやすく誰かと誰かが出会って結ばれていくというラブストーリーより、もっと日常の中の、ドラマや映画ではあまり取り扱われないような悩みというか、倦怠期みたいな温度の低い恋愛や、罪悪感にまつわることなど、それで悩んだり苦しんだりしている人があまり可視化されないけど確実にいる。そんな恋愛の話をつくりたいと思い書き始めました。
――脚本を読まれて、杉咲さんはどんな感想をお持ちになりましたか?
杉咲:文菜と文菜を取り巻く人たちがぐるぐると思考しながら人に会って会話を重ねて、とりたてて大きな事件も起こらず、もしかしたら登場人物が最後まで成長するようなこともないかもしれないお話だと思いました。文菜という人物は、人によってはただフラフラしているようにしか見えないかもしれませんが、個人的には、物事に対して自分なりに思考して、自分なりの答えを見つけながら、真剣に生きている姿にとても惹かれます。
あまりドラマとして取り上げられないような、シーンとシーンの間にきっと繰り広げられているであろう部分にこそ焦点の当てられた作品で。でも、そんな穏やかな時間のなかにも、その人なりの思いやりや、その人だけの苦しみがひっそりと滲んでいる。人との交わりを繊細に描いたこの脚本に私は救われています。
『冬のなんかさ、春のなんかね』場面写真 (C)日本テレビ
――文菜はどんな人物だと感じられていますか? 共感するところはどんなところでしょうか?
杉咲:共感できる部分は、ほとんどないんです。でも私にとっては、共感できるかどうかは演じるうえであまり重要ではないんですよね。
文菜は、なんというか、すごくさみしい人なのではないかなと思うんです。時間の有限性や、すべての出会いには別れがつきまとうということがどうしようもなくさみしい。そういった感度がとても高い人なのではないかと。そんなところにも惹かれているのかもしれません。
――役作りで心がけている点はどんなところですか?
杉咲:役作りというものがなんなのか、あまり分かっていない自分もいるのですが。たとえば、文菜は小説を書いている人で、そのヒントになるもの、生活していて感じたことや疑問に思うことをノートに書いていたりするんです。その内容を今泉さんから共有していただいて、劇中のノートに書き写しているのですが、そういうところからも文菜の思考を知ることができています。
それから個人的には、衣装を通して役に近づいていける部分も大きいと思っていて。着ている服って、その人の暮らしを映すものだと思うんです。文菜は古着屋でバイトをしている設定なのですが、どんな年代や質感のものが好みで、どんな風に着こなすのか。シワがあっても気にしない人なのか、物持ちはどれくらいの人なのか。今回は、初めてご一緒するスタイリストの杉本学子さんにわがままを言って衣装リースに同行させてもらい、とにかくいろんな服を試しながら、文菜という人物を探す旅のなかで、少しずつスタイルが確立されてきたように思います。

