元宝塚月組トップ娘役・美園さくら、『エリザベート』新人公演は「心境が役柄とリンク」

――退団されてから4年が経ちました。振り返るとどんな時間でしたか?
美園:あっという間でもあり、それなりにいろいろ変わった点もあるというか。大学院にも行って、今も研究員として大学に残っているんですけど、演技指導におけるコミュニケーションみたいなことを研究する中で、やっぱり現場にいないとわからない部分っていうのがあるんです。どうしても自分の記憶をたどるだけじゃなくて、渦中にいながらいろいろ思うことであったり、こういう実験をしてみようとアイデアが思いついたりするんですね。今回も『エリザベート』という、お客様から太鼓判を押されている作品の中で、自分がどういう風にこの役を昇華していくのかというのを考えながら、実験に活かすということではないですけど、いろいろなアイデアが浮かびそうで、それもちょっと楽しみです。
――2024年に『DEATH TAKES A HOLIDAY』で復帰されて、新しい発見や新鮮な部分はありましたか?
美園:やっぱり男性キャストがいらっしゃるというのはすごい違います。毎回毎回の座組が一期一会じゃないですか。みんなそれぞれプロフェッショナルで、その公演を頑張ってやるというスタンスがすごいなと思って。
今回のガラ・コンサートはまた少し違うというか、これまで『エリザベート』という作品に携わっていらっしゃる方々と共演するわけですから、それはそれでどんな化学反応があるのか楽しみですし、他では体感できないことじゃないですか。そういう意味でも、古巣に戻るじゃないですけどDNAがあるので、楽しみな部分ではあります。
――退団から4年が経ち、宝塚をご覧なられる時はどんな感じに目に映りますか。
美園:やっぱり職業病でどうしても、今こういう気持ちなんだろうなとか思ってしまって気持ちが忙しいですね。
――では、またファン目線に戻って楽しめるという感じでは…。
美園:それはまだちょっと難しくて。多分いろんなタイプの方がいらっしゃると思うんです。ファン時代の気持ちに戻れてエンタメとして楽しめるという方もいらっしゃるし。でも私はどうしても、まだ気持ちが若干忙しくなってしまうというか、純粋な楽しみ方とはまた少し違うかなって思いますね。
――研究もやられていてお忙しい日々かと思いますが、ほかに何かやってみたいことが湧き上がってきたりはしませんか?
美園:今はいろんなことにアグレッシブに挑戦したいという欲みたいなものがありますね。とりあえずジャンル関係なく新しいものを見たり、旅行に行くことも好きなので、空いている時間を利用していろんな国に行っていろんな文化を見たり、とにかく吸収しようというタームにいます。
――今回のガラ・コンサートでも新しい何かを見られることが楽しみですね。
美園:楽しみっていうか、怖いですよ(笑)。もちろんすごい楽しみではありますけど、多少なりとも試練がないと人間って成長しないので。この挑戦を成長につながる糧として受け止めて、とにかく観てくださるお客様に来てよかったと思っていただけるように一生懸命やりたいと思います。だって今、チケット代って高いじゃないですか!
――確かに(笑)。
美園:高いチケット代を払って来てよかったって思っていただけるものに絶対にしたいです。 “お値段以上ニトリ”の精神、私の使命はただそれだけです(笑)。
――では、最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。
美園:今回宙組バージョンとして出演させていただくので、お客様は「誰やねん!」って多分なっていると思います。私としては、新人公演ではやっていないシーンもやるということで、初めて物語すべてを通せるんですね。そういう意味でも新しい美園さくらをご覧いただけると思います。今回、ちゃんとスコアもしっかりさらうし、歌唱の部分、お芝居的な部分もきちっと演出に則って取り組みたいという意気込みで臨みますので、美園さくらが歌や芝居に健闘する姿を、成長する過程を見守るような気持ちで温かく見守っていただけたらうれしいです。
(取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美)
阪急阪神不動産presents『エリザベートTAKARAZUKA30th スペシャル・ガラ・コンサート』は、2月6日~2月20日東京・東京国際フォーラム ホールC、2月28日~3月15日大阪・梅田芸術劇場メインホール、3月23日~25日愛知・御園座にて上演。

