鎮西寿々歌「お芝居を辞めようと思ってからの再スタートだった」 覚悟を秘めて挑んだ主演作で再会した“演じる喜び”
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女性アイドルグループ・FRUITS ZIPPERのメンバーとして華やかなステージに立つ鎮西寿々歌が、清水崇監督によるホラー映画『だぁれかさんとアソぼ?』で映画単独初主演という大役に挑んだ。長らく芝居から離れていた鎮西だが、未知なる恐怖表現や座長としての重圧と向き合う中で、演じることへの情熱を確実に再燃させていく。アイドルとの両立を通して見つけた表現者としての新たな扉と、芝居への愛情を語った。
【写真】かわいすぎる! 鎮西寿々歌、撮り下ろしフォト(8枚)
■一度は離れた芝居の世界 巨匠の現場で挑んだ未知の表現
快進撃を続けるグループの活動の一方で、個人のキャリアとしては大きな分岐点に立っていた。心の奥底に眠っていた「表現者」としての欲求が顔を出しかけたまさにその瞬間、ホラー界の巨匠がメガホンを取る作品の看板を背負うという途方もないオファーが舞い込んだ。
「最初は『えっ、本当ですか?』とびっくりしました。FRUITS ZIPPERとしてアイドルを始めてから長らくお芝居から離れていたのですが、また挑戦してみたいなと思っていたタイミングだったんです。清水監督の最新ホラーということで、私なんかがこんなに大きな看板を背負わせていただいていいのかという思いはありましたが、このチャンスを掴むべきだと思い、覚悟を持ってお受けしました」。
映画『だぁれかさんとアソぼ?』場面写真 (C)2026「だぁれかさんとアソぼ?」製作委員会
彼女が演じたのは、生徒たちの心に寄り添う心理カウンセラーの小春。台本を徹底的に読み込むだけでなく、専門家の監修や個人的な演技レッスンを通して役の輪郭を掴んでいった。しかし、いざカメラの前に立つと、見えない恐怖を相手にするホラーならではの壁が立ちはだかる。恐怖の根源が存在しない空間で、極限の感情をスクリーンに焼き付けることは決して容易ではなかった。
「見えないものを『見える』とし、見えているものを『見えない』ことにするのが難しかったです。暗闇のシーンでは、実際に一度目をつむって歩き、どれだけ歩きにくいかを感じてから、その感覚のまま本番に臨んだりもしました。絶叫が続くシーンでは、段取りっぽくならないよう、前のシーンとの繋がりや怖さのバランスを考えながら演じました。技術と感情、そのどちらも殺さずにやるというのは、まるでスポーツを頑張っているような感覚でした」。
■最年長で臨む座長 和やかな現場で生まれた絆
子役時代から芸能界という厳しい大人たちの世界で育ってきた鎮西にとって、常に自分が「年下」であることは当たり前の環境だった。しかし、今作の共演者は若手俳優が中心。かつてないポジションは、戸惑いとともに新鮮な景色をもたらしてくれた。プレッシャーに押しつぶされることなく、現場をどう導いていったのか。
「一度お芝居を辞めようと思ってからの再スタートだったので、本当に初心に返る気持ちでした。未熟ながらに、いかに現場が楽しく、みんなが作品に入りやすい環境になるかを考えていました。ただ、清水組はホラーを撮っているとは思えないぐらい明るいんです。共演した大西利空くんをはじめ、年下でも現場の居方がベテランの方ばかりで。自分から引っ張らなきゃという気持ちもありつつ、ある意味で皆さんに『乗っかる』形で座長としていられました」。
映画『だぁれかさんとアソぼ?』場面写真 (C)2026「だぁれかさんとアソぼ?」製作委員会
カメラが回っていない時の控え室は、恐怖を描く本編とは裏腹に、笑い声の絶えない和やかな空気に包まれていた。一回り近く年齢の離れた共演者たちを温かく見守る中で、思わず自分自身の年代を忘れてしまうような微笑ましい瞬間もあったという。
「(妹役の星乃)あんなちゃんなんて10個ぐらい年が違うので、妹を通り越して娘のような気持ちでした。みんながゲームをしているのを外から見て『ああ、こういう年の重ね方も悪くないな』と思ったり(笑)。でも、楽屋で平成リバイバルの話題になった時、一線を引いていようと思っていたのについテンションが上がってしまって。『めっちゃわかる!』と会話に入っていき、『あ、ダメだ、私10個上だった』と気づくこともありました。壁を感じてほしくなかったので、いい意味でみんなが気を遣わないようなフレンドリーな関係でいられたと思います」。
