クランクイン!

沓名健一監督、“チャンバラ”と“手描きアニメ”に込めた並々ならぬ魂「人が描いた絵は尊いもの」<『SEKIRO: NO DEFEAT』インタビュー>

アニメ

沓名健一監督
沓名健一監督

 フロム・ソフトウェアが2019年に手掛けたアクションアドベンチャーゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(セキロ:シャドウズ ダイ トゥワイス)』を原作とした劇場アニメ『SEKIRO: NO DEFEAT(セキロ:ノーディフィート)』が4日より3週間限定で公開される。舞台は戦国時代の架空の国「葦名」。熟達の忍びである主人公・狼は、「竜胤」という人を不死に変える特別な血を引く少年・九郎に仕えていた。その血を狙う葦名弦一郎から逃げる旅のさなか、ふたりは「竜胤」によって人々が致死の病「竜咳」に侵されていることを知ってしまう。そして、自らの命を犠牲にして病を治めることを決めた九郎の秘めた覚悟を知った狼は、たったひとりの主の運命を変えるため、苦難に満ちた戦いへと挑んでいく…。今回は、本作で長編初監督を務めた沓名健一監督にインタビューを実施。『SEKIRO』の醍醐味“チャンバラ”や、自身が得意とする手描き2Dアニメーションへの並々ならぬこだわりなどを語ってもらった。

【写真】全編手描き2Dアニメーションで描かれた『SEKIRO: NO DEFEAT』場面写真

■ゲームでは見られない狼と九郎の“絶妙な距離感”&“おはぎ”に注目


『SEKIRO: NO DEFEAT』メインビジュアル (C)2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners. (C)KADOKAWA/Sekiro: No Defeat PARTNERS
──『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』が劇場アニメ化された経緯を教えてください。

沓名:プロデュース会社のARCHさんから食事に誘われたとき、エグゼクティブプロデューサー・平澤直さんから「チャンバラに興味ありますか?」と質問を受けたことがきっかけです。そのときはまだ『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』が劇場アニメになることは知らなかったんですけれど、アニメ監督としてチャンバラで『SEKIRO』のような表現の作品をやってみたいという気持ちがあり「あります!」と返事をしました。

──本作で長編初監督を務めることになったときの心境はいかがでしたか?

沓名:私は普段ゲームをあまり遊ばないので、監督を受けるにあたり、まずは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』をプレイするところから始めました。このゲームは本当に難しくて、クリアに半年くらいかかったかな? ほぼ毎日、仕事から帰ってきて8時間くらいプレイして2時間くらい寝るみたいな生活を送っていました。でも、本当に楽しく遊ばせていただきました。そして、プレイしていく中でこの作品が表現しているものと、自分が表現したいものに、合致する点があることがわかったので、これは引き受けても大丈夫だなと感じました。また、世界的に有名なタイトルでもあったので、気を引き締めようと覚悟もしましたね。

──本作のタイトルが「SHADOWS DIE TWICE」ではなく「NO DEFEAT」になっている理由と、そこに込められた意味を教えてください。

沓名:原作ゲームには、いくつかのシナリオがありますが、本作のストーリーはそのどれかをトレースしているわけではありません。なので、同じタイトルをつけてしまうと、ファンの方が違和感を覚えてしまうと思い、別タイトルにしました。また、ゲームではみなさん何度もコンティニューしたと思うんですが、アニメにはコンティニューがないので「NO DEFEAT(負けない)」というタイトルになっています。

──『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の壮大な物語を1本のアニメに収めるにあたり、どんなところで苦労されましたか?

沓名:ゲームの要素を全て詰め込むと、単なる総集編になってしまうリスクがあります。しかし、あまりオミットしてしまうとファンが鑑賞したとき肩透かしになってしまう。そういうところのバランスをどう取るか考えた結果、まずは主人公である狼の視点を大事にしつつ、九郎との関係性にフォーカスして、ふたりのドラマをしっかり描こうと判断しました。

──狼と九郎の関係性を描くときに気を付けたことや、注目してほしいポイントはありますか?

沓名:まず“喋らせすぎない”。それから“慣れあいさせすぎない”ことを気を付けました。ふたりを近づかせすぎてしまうと絶対にファンの方たちが違和感を覚えてしまうので、近すぎないからこそ出せる絆みたいなニュアンスを表現することに重きを置きました。

注目してほしいのはやっぱり「おはぎ」のシーンです。あそこはゲームをプレイした人なら、きっと見たかったくだりではないでしょうか。それから、葦名の地を抜けてふたりが逃避行をしている時間もゲームにはないオリジナル要素なので、存分に楽しんでもらいたいなと思っています。

あと、ちょっと見えづらいかもしれないですが、狼が九郎をおんぶして川を渡るシーンがあるんです。ゲーム中でもおんぶはないのでそこも見どころです。

『SEKIRO: NO DEFEAT』場面カット (C)2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners. (C)KADOKAWA/Sekiro: No Defeat PARTNERS
──脚本を担当された佐藤卓哉さん(代表作:『あさがおと加瀬さん。』(2018))は、いわゆる専業のシナリオライターではなく、どちらかというと沓名監督と同じ演出家の方だと思いますが、なぜ佐藤さんを指名されたのですか?

沓名:佐藤さんはキャラクターの感情の機微を演出するのが上手い方なので、その力が本作には必要不可欠でした。というのも、狼って全然喋らないし、ほかのキャラクターも秘めた思いを行動で示すような人たちが多いので、セリフで表現できない感情をどう演出するかが課題になることは分かりきっていたんです。そこで、自分から直接お声をかけました。

──監督が演出に力を入れたシーンを教えてください。

沓名:葦名一心を倒した後の狼と九郎の旅路は、普通のアニメならもっと語り合ってもいいと思いますが、そこはふたりの関係性を見せるためにあえて掛け合いはほとんどせず、ちょっと笑い合うくらいにしています。それによって彼らの親密さをより上手く表現できたと思います。

次ページ

■実在の古武術を取材してこだわり抜いた“殺陣”は必見

1ページ(全2ページ中)

この記事の写真を見る

関連情報

あわせて読みたい


SEKIRO: NO DEFEAT の関連記事

最新ニュース

クランクイン!トレンド 最新ニュース

おすすめチケット

powered by ローチケ

おすすめフォト

おすすめ動画

最新&おすすめ 配信作品

注目の人物

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る