『薬屋のひとりごと』悠木碧×大塚剛央、猫猫と壬氏は“まだ名前のつかない関係”「目指しているところは同じ」
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後宮を飛び出し、物語はさらに広い世界へ――。10月2日23時より放送されるTVアニメ『薬屋のひとりごと』第3期では、舞台が市井へと移り、猫猫と壬氏を取り巻く人々の思惑も、これまで以上に複雑に絡み合っていく。第1期の放送開始から約3年。長く役と向き合ってきた猫猫役の悠木碧と壬氏役の大塚剛央に、本作が愛され続ける理由や第3期の収録、そして恋愛という言葉だけでは表しきれない、猫猫と壬氏の“まだ名前のつかない関係”について聞いた。
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■人を知っていくこと自体が、ひとつの謎解き
――第1期の放送開始から約3年がたちました。改めて、『薬屋のひとりごと』がこれほど多くの人に愛され続けている理由は、どこにあると思いますか?
悠木:登場人物たちを、いわゆる“キャラクター”としてだけではなく、ちゃんと一人の人間として描いている作品だと思います。「こういう生い立ちなら、こんな性格に育つかもしれない」と、その人がどう形づくられてきたのかを、さかのぼって想像できるんですよね。どの登場人物にも、そこまで思いを巡らせられるだけの奥行きがあるんです。
第3期でも、第1期、第2期で活躍してきた人たちの、さらに深い部分が描かれていきます。知れば知るほど、「だから、あのときあんな行動を取ったんだ」と腑に落ちていく。人を知っていくこと自体が、ひとつの謎解きになっているところも、長く愛されている理由だと思います。
悠木碧
大塚:僕はやっぱり、物語の奥行きや世界観の作り込みに引きつけられるのだと思います。一人ひとりの選択が物語を動かし、その展開の中で、また新しい一面が見えてくる。すべてが別々にあるのではなく、きちんとつながっているんですよね。
物語が進むほど、そのつながりが大きなうねりとなって、作品全体を盛り上げていく。物語と登場人物が互いを引き立て合いながら、どちらの魅力も深まっていくところが、『薬屋のひとりごと』ならではの面白さなのだと思います。
大塚剛央
――第3期では、物語の舞台が後宮から市井へと大きく移ります。台本を読んで感じた、物語や登場人物たちの変化を教えてください。
悠木:登場人物たちが、旅をしながら物語が展開していくところは、これまでとの大きな違いだと感じました。これまで華やかであることを求められてきた人たちが、今度は目立たないように振る舞わなければならない。置かれる場所や立場が変わることで、それぞれの見え方も変わってくると思います。
ただ、猫猫自身はそれほど変わっていません。彼女はいつだって状況に巻き込まれ、どこかへ連れてこられる側なので(笑)。私も「今回も連れてこられました」というくらいの感覚で演じています。一方で、作品全体を俯瞰して見ると、物語のスケールや世界の捉え方は大きく変わってきたと感じますね。
大塚:物語としては、第2期から地続きになっています。子翠/楼蘭から壬氏が託されたものをはじめ、第2期に残されたものを受け取るところから、第3期の物語が動き始めます。
壬氏自身も、その皇弟としての立場が明らかになったことで、振る舞いを変えざるを得なくなりました。そこは、第3期における大きな変化だと思います。また、新たな人物だけでなく、これまで登場してきた人たちの活躍も増えていくので、アフレコをしながら「作品の雰囲気がずいぶん変わってきたな」と感じていました。
テレビアニメ『薬屋のひとりごと』第3期キービジュアル(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
――舞台が広がることで、登場人物同士の新たな組み合わせも生まれます。第3期の収録で、特に印象に残っている掛け合いはありますか?
悠木:今回は、これまであまり関わりのなかった猫猫と羅半が、がっつり絡む場面があります。二人で話していると、同じ羅の一族ならではの、“血”を感じる独特のテンポがあるんですよ(笑)。その掛け合いが、収録していてすごく楽しかったです。
また、これまで登場していても、「ここからが本番」という人物がたくさんいます。そんな彼らがいよいよ活躍する姿には、「待っていました!」という気持ちもあって。毎回、とても楽しくアフレコに臨んでいます。
大塚:壬氏は直接関わらない場面も多いのですが、僕自身は収録現場にいるので、猫猫が羅半や陸孫たちと一緒に行動する様子を見ていました。これまでにない組み合わせなので、すごく新鮮で面白かったですね。
一方、今回は馬閃が壬氏と行動を共にする場面も多く、彼の活躍が印象に残っています。“面白い”と言うと、少しかわいそうかもしれませんが(笑)。高順とはまた違って、まだ未熟なところもありながら、一生懸命に務めている。その姿から、「やっぱり高順の息子なんだな」と感じられる瞬間もあるんです。親子のつながりが垣間見える場面は、演じていて楽しかったですね。
