『友よ、さらばと言おう』フランス人監督、待望のハリウッドデビュー作の構想明かす

フランス映画とは思えぬスピーディーなアクション&激熱のエモーションあふれる作品を連打し、世界中を驚かせているフランス人監督フレッド・カヴァイエが、新作映画『友よ、さらばと言おう』を引っ提げて来日。デビュー作がハリウッドで瞬時にリメイクされ、さらに自身のハリウッド進出も決定しているという旬の人、カヴァイエ監督とはどんな人物なのだろうか?
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ラッセル・クロウ主演でハリウッドリメイクもされた、デビュー作映画『すべて彼女のために』(08)で突如映画界に登場したカヴァイエ監督。次に放ったラストまで全力疾走で駆け抜けるアクションサスペンス映画『この愛のために撃て』(10)も、母国フランスで異例の大ヒットを記録。偉業を成し遂げた当の本人は元々フォトグラファーで、実は40歳にして映画監督として一本立ちした遅咲きの苦労人でもある。
「40歳での監督デビューは確かに遅咲き。でも自分の中で映画愛が成熟したのがその頃だった。もし若年でデビューしていたら、作風もまったく違っていただろう。物事には偶然はなくて、すべて必然。『映画を撮りたい』という気持ちが決定的になったからこそ、監督になれた」とデビュー作『すべて彼女のために』に至るまでの道のりを振り返る。長編デビュー作は熟練を感じさせる語り口が魅力だが、それまでのフレッド監督には演出経験がほとんどなかった。
「だからデビューまでの間には様々な映画を観て学び、自分の中に知識として蓄積させた。監督をしたいという思いを継続させ、自分の表現を具現化するために必死に学ぶ。そこから生まれたものを毎回全力でぶつけている。作品を作るたびに自分を高めながらここまで来た」と生み出す作品同様に全力疾走。映画監督として生活できるようになった現在は「映画の事しか考えられず、製作に至るすべての瞬間が楽しい。それ以外は退屈。映画を撮り終えたら次の作品に取り掛かるサイクルで、それが僕のライフワーク。人生が楽しくて仕方がない」と夢が叶った喜びを噛みしめる。