『友よ、さらばと言おう』フランス人監督、待望のハリウッドデビュー作の構想明かす
そんなカヴァイエ監督の新作『友よ、さらばと言おう』は、オリヴィエ・マルシャル(映画『あるいは復讐という名の犬』)の原案を、カヴァイエ監督とデビュー作からタッグを組んでいる脚本家ギョーム・ルマンと共にブラッシュアップ。元警察官のシモン(ヴァンサン・ランドン)とその相棒だったフランク(ジル・ルルーシュ)が、シモンの幼い息子を冷酷なマフィアから守るために死闘に挑む。
ノワール調の前半から一転、カヴァイエ監督十八番の“愛するものを守るためにひたすら走る”スピーディーな展開が観客の目をくぎ付けにする。「原案は復讐の物語だったけれど、僕たちは贖罪の物語に変更した。“友人同士の2人の警官が交通事故を起こしてしまう、そこから彼らの人生が一転する”というアイデアのみをいただき、新たな物語を構築した」と説明し「マルシャルは“ある衝撃”を冒頭に置いたけれど、僕らはそれをラストにした。唖然とさせられる結末が好きなのさ」と意味深に笑う。
ランドンとルルーシュの起用には『すべて彼女のために』(ランドン主演)『この愛のために撃て』(ルルーシュ主演)の融合という狙いもある。「デビュー作のエモーショナルな感情と2本目のアクションをミックスすると同時に、グレードアップを目指した。そういった意味で肉体的にも精神的にも厳しい現場になることは予測できたので、信頼できる俳優と組むのがベスト。彼ら2人でなければここまでハードな作品にはならなかっただろう」と盟友たちの参戦に感謝。
最後に自身のハリウッド進出について、カヴァイエ監督は「ハリウッドでの企画はすでに動き出している。女性が主人公で、自分の大切なものを守るために障害を乗り越える物語さ。『すべて彼女のために』ならぬ『すべて彼のために』だ。ジェニファー・ローレンスかシャーリーズ・セロンでやりたいと思っている」と期待大のハリウッドデビュー作について教えてくれた。
映画『友よ、さらばと言おう』は8月1日より公開。