真田広之、「他の職業は考えられない」晩年まで俳優をやるため“今”を大事に
映画
そんな魅力的な93歳のホームズを演じたのは御年76歳のイアン・マッケラン。「普段は元気でお茶目なイアンなのですが、2時間かけてスペシャルメイクを施すと途端に老人になるんです。現場ではずっと老人の空気感のまま。彼が役に入ってくれるので、イアンとして気を遣わなくてすみました。“老いる”ということをリアルにみせてくれる。決してテクニックでやっている感じがしないんです」と佇まいを絶賛。さらに「ワンテイクベストを目指してトライする姿勢や技術、キャリアに甘んじない情熱を垣間見られたことが財産です」と名優との共演を振り返った。
現在55歳の真田。イアンの年齢までは20年ある。「先のことは想像できないですね。10年先でも分からない。ただ俳優という仕事は続けているんだろうなということは感じています。イアンを見ていると『どうしたらあんなに素敵な老人になれるんだろう』って思ったんです。老人と言ってはいけないぐらいのバイタリティー。日々の過ごし方が大切なんでしょうね」と気を引き締める。
さらに「好きなことを仕事にしているので、他の職業は考えられないですね。60歳、70歳という年になったからこそできるような役柄を得るためには、今現在できることをしっかりやっていく。その積み重ねで20年後も見えてくるのなかって思うんです」と付け加える。そして「この作品の経験は大きかった。イアンから得たものを自分の中で消化し、僕のDNAの一部になり、どこかでいかされればいいなって思っています」と締めくくってくれた。（取材・文：磯部正和）
『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』は、3月18日よりロードショー。
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