知英、性同一性障害の留学生役に共感「自分らしく生きていくために…」
作品では、ソヨンが性同一性障害という自分の状態について思い悩む姿が描かれる。現在は日本でもジェンダーレスが進み、在りし日に比べ、差別のような認識はなくなっているようにも思う。しかし、本作を見るとそれでも生きづらく、葛藤を抱えている人たちがいることをまざまざと思い知らされ、胸がざわつく。知英も「難しい問題かもしれません。あくまで私の考えですけど」と前置きした上で、「ソヨンはずっと隠してきた人物です。演じてみて、私は自分を隠すのではなく、素直になれたら周りが受け入れてくれるかもしれないと思いました。片想いですけど、正直に言えば相手はわかってくれるかもしれないと考えました」と、悩みながら演じた今だからこそ感じた想いを打ち明けてくれた。
一方、知英自身の片想いエピソードを聞けば、「考えてみたんですけど、片想いはないんですよね」と、あっけらかんとした表情。ただ、モテたので片想いの経験がない、という意味ではないらしい。「全部両想いというわけでもないですよ~。相手が自分に興味がなかったら、あまり自分も興味はないので。相手が私を好きじゃないのに何で私が好きなの?って思っちゃう」と、きっぱり。さらに、「私は好きなら好きって自分から言うタイプなので。相手が自分を好きならそれで両想いになるというか。きっと性格がせっかちというか、はっきりしたいタイプなのかもしれませんね(笑)」と、役とは異なる積極的な一面もちらつかせていた。(取材・文・写真:赤山恭子)
『全員、片想い』は7月2日より全国ロードショー。