『ファンタビ』造形美術監督、「17個も作った」主人公のトランク そのこだわりとは

『ハリー・ポッター』全シリーズ、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『ゼロ・グラビティ』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』…手掛けた作品をあげれば、枚挙にいとまがないハリウッドが誇る造形美術監督、それがピエール・ボハナだ。このたび、『ハリー・ポッター』シリーズ最新作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の小道具持参で来日。新主人公ニュート・スキャマンダーが持ち歩く魔法のトランクの制作秘話や、キャラクターそれぞれによってデザインが違う魔法の杖ついてなど、魅力溢れる小道具制作について話を聞くことができた。
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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は、『ハリー・ポッター』シリーズの原作者、J・K・ローリングが本作のための脚本としてペンを取った渾身の一作。主人公となるのは、動物といる方が気が楽な魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)。ニュートは、魔法界にとっても謎の多い魔法動物たちを調べ、それらを保護するための不思議なトランクを持ち歩いていた。だが、ある日ひょんなことがきっかけで、大切にしている魔法のトランクを人間のものと取り違えられてしまう。魔法界の魔法動物たちが一斉に人間の世界へ逃げ出し、街中が前代未聞のパニックに…。
「トランクは、1番始めに制作に取り掛かったものなんだ」と大きな笑みを浮かべたボハナ。「まず、様々な既製品(のトランク)を買って、エディも交えてどういうトランクにするかを考えた」と明かす。大きさについては議論を重ね「持ち運んだりもするから、なるべくコンパクトにもしないといけなかったし、トランクの中にはエディも入るからね。かなり考えぬいたサイズだよ」。
トランクの大きさやデザインが決まり、制作に取り掛かった後は「アクション用やゴム製のもの、中をくり抜いたもの、様々な用途に合わせないといけないから、正確な複製を17個作ったんだ」と言い、「映画ならではの難しさがある小道具だったよ」と制作過程を振り返った。