須賀健太、子役イメージからの脱却 映画『獣道』で見せた“新たな一面”

22歳にして芸歴17年のキャリアを持つ俳優・須賀健太。最新作『獣道』では、伊藤沙莉演じる主人公・愛衣の唯一の理解者でありながら、微妙な距離感を保っている不良少年・亮太を演じた。近年、個性的なキャラクターを演じることが多くなってきている須賀だが「子役のときの一面的なイメージを持っている方がまだ多いと思うので、いろいろな面を見せていきたい」と俳優業に意欲をのぞかせる。そんな彼の内面に迫った。
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鬼才・内田英治監督が、地方都市を舞台に、一人の少女が大人の都合によって、翻弄されていくさまをコミカルかつエッジを効かせて描いた『獣道』。「演じることを抜きに読み物として面白かった」と台本を読んだ感想を語った須賀は、「キレキレのキャラクターが多数登場しますが、僕が演じた亮太は、個性あふれる人々の思いを受け取って、それを繊細な形で表現する、引き算の芝居が要求されていると感じました」と役へのアプローチ方法を語る。
その言葉どおり、劇中の須賀は、派手さはないものの、個性あふれるキャラクターたちの思いをしっかり受け止め、胸のうちで昇華させて行動する。どこか陰があり、どこか思わせぶりな人物を好演している。
近年、須賀が演じるキャラクターは個性的な人物が多い。『スイートプールサイド』(14年)で体毛が生えてこないことを悩みに思っている内気な少年を演じたかと思えば、『シマウマ』(16年)では、拷問大好きなサイコパス・アカを、そして『ディアスポリス ‐DIRTY YELLOW BOYS‐』(16年)では、裏社会に生きる残忍で凶暴な中国人・周(ジョウ)というキレキレのキャラにふんした。
非常に意欲的な作品で、チャレンジングな役柄に挑んでいるが「規模の大小は関係ないんです」と作品出演の基準を述べると「俳優として一つのイメージに捉われず、いろいろな面をみてもらいたいというのがここ数年の課題なんです」と語る。