武田杏香、人気グループ脱退後の歩み 「女優になりたい」初心忘れず映画初主演
現在18歳の武田が女優を志したのは小学生の時。「『キッズ・ウォー』のメイキングを観てすごく楽しそうで、『自分もやってみたい』と言ったら、母が地元の養成所の広告を見つけてきてくれたんです。その頃は目立ちたいくらいの気持ちだったんですけど…」とはにかむ。
養成所で学ぶうちに本格的に演技への関心が高まり、また音楽にも興味を持ち、2011年オーディションに合格。ダンスグループメンバーとして活動を開始する。その時期も「一番は演技をしたい」という気持ちはぶれていなかったという。
そして大ヒット曲に参加するなど一気に人気者に。だが「心が追いついていかない間に、自分の知らないところに自分が行っちゃっている感じで、本当にやりたいことをじっくりと考える暇もなかった。『これでいいのかな』と自問自答した時に違和感をおぼえつつ、目の前のことをやらなければという状態でした」と当時の気持ちを明かす。
また「グループ活動をしたいとはまったく思ってなくて。一人で活動していくことは大変だと思うけど、羨ましかったんですね。私が一番始めに志したものと当時の自分と照らし合わせると、どうしてもそのギャップが埋められなくて…」。その思いが強くなり、グループを辞めることを決意した。だが女優活動を始めても人気が出るとは限らない。そこに不安はなかったのだろうか。
「まったくなかったですね。いろんな人に『もったいない』と言われましたが、当時の私には一番聞きたくなかった言葉です。自信をもって自分の道を選んだのに、どうしてそんなことを言うのか。人気グループのメンバーでなくなることが怖いのでなく、自分で納得できない自分でいるほうが怖いんですよ。グループ時代が嫌だったということではなくて、自分の選択が自分の性格に合ってたんだなという思いしかなくて…」。グループには今も愛情があり、「MVもよく観ていますし、ファンのような気持ちです」と微笑む。
以降女優活動を本格的に開始し、今回映画初主演。「自分には経験があるとは思ってなくて、今物心がやっとついたという感じです。自分は新人なんだという思いしかない」と一つ一つの作品で新人のつもりで臨んでいるという。そして「これから先もその気持ちで向き合っていければと思います」と目を輝かせた。(取材・文・写真:田中裕幸)
「第4回 夏のホラー秘宝まつり 2017」は8月19日~9月1日、キネカ大森で開催。